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世界の都市だより 世界の街角へ

ガイドブックでは書けない街の顔を垣間見る インド変容の象徴、デリーの地下鉄

「最後の巨大市場」「未来のIT産業の中心」「魅力あふれる投資先」などなど。近年、経済誌などでインドの特集が多く組まれている。5千年の歴史を誇るインドで、日本の高度経済成長期のような急激な変化が起こっているのだろうか?

実際にインドを旅して町を歩いてみても、ここ数年で劇的に変わったようには見えない。少なくとも見た目は……。

首都デリーの町を歩けば、相変わらず人も車も多い。人口は1千万人を超える。ひっきりなしにクラクションが鳴り響く路上を、乗客をすし詰めにしたバスがうなりをあげて通り、緑と黄色のツートンカラーのリクシャー(三輪の小型タクシー)が他の車の間を縫って走り抜けて行く。旧市街のオールドデリーに行けば、いまだに昔日本で走っていたリンタク(サイクルリクシャー)が市民の足として普通に走っており、その他牛車やラクダに乗った人、たまにゾウが歩いているのを見かけることもある。

さて、先に「見た目は」変わらないと書いたデリーで最も大きな変化は、うるさい道路の下で進行していた。地下鉄である。

2005年7月、デリーに地下鉄が全線開通した。2002年より段階的に伸張してきた路線が、ほぼ完成したのだ。インドに地下鉄が走っていると聞いて驚く人もいるかもしれないが、実はデリーだけでなく、インド東部の大都市コルカタ(カルカッタ)には20年以上前の1984年から地下鉄が走っている。

現在首都を走るのは3つの路線。ステンレス製の最新型の車両で、車内は冷房がよく効いて快適。切符はJRのSuicaと同じ磁気式のプラスチック製コインを使うタッチ・スルーシステムを採用している。この地下鉄、建設費の多くが日本の援助で賄われており、建設の施工管理も日本のシステムを採り入れて行われた。

これまでインドの交通機関といえば、鉄道からバス、タクシーにいたるまで、お世辞にもきれいとはいえないものばかりだった。インド鉄道が誇る特急列車しかり、デラックス長距離バスしかり。特にタクシーなど、相当の台数が町中を走っているにもかかわらず、1台として新車と思えるような車に出合ったことがない。そこへいくと、この地下鉄のピカピカ具合は、明らかにこれまでのインドの交通機関と異なっている。

デリーの地下鉄は、さらに拡大する計画があり、デリー以外でも、ムンバイとバンガロールで地下鉄を建設中。長い歴史を持つこの国では、変化のスピードは緩やかだ。しかしデリーの地下鉄に乗ってみると着実に変容を遂げつつあるインドを実感することだろう。

(更新日:2006年09月20日)

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ニューデリーから、気になる都市情報をお伝えします。

編集協力:三菱商事

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