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世界の都市だより

炎暑に咲く花の顔(かんばせ) ドバイのひと

アラブ首長国連邦(UAE)のひとつ、ドバイ首長国の夏はたぶんどこの国よりも暑く感じられるだろう。連日45度を超す温度と強い日差し、80%を超える湿度。車から出ると眼鏡やカメラのレンズが一瞬にして、曇るほどだ。

この暑さの中、訪れる誰もがひとときの涼しさと、古きよきアラブを味わえるカフェがある。レバノン人、ファーラ・アモーディ(28)さんがマネージャーをつとめる「バスタアートカフェ」だ。

人口の8割は、約180カ国から来ている外国人労働者だ。外交官である父の仕事の都合で7年前ドバイにやってきたファーラさんは、ドバイ発祥の地、バスタキア地区にカフェを構えて5年目になる。40歳になる夫はドバイの東隣り、シャルジャ首長国出身である。一般的なUAE人は、女性が外に出ることは嫌がるのだが、彼女の夫は少し違う。

「夫と私はお互い理解し合っているので、前へ前へと出て行く私が好きみたい」

店はウィンドタワーと呼ばれる昔のアラブの簡易空調システム、そして中庭のある昔のドバイ建築を生かした造りだ。店内には彼女の手による宝飾品などが飾られ、そのセンスのよさはドバイのファッション雑誌にも掲載される。

店でのファーラさんは忙しい。接客しながら厨房にも立ち、フレッシュジュース、アラビックコーヒーも作る。そんな中でも、彼女の周りは笑いが絶えない。とにかく話すことが好きだといい、アラビア語をはじめ、トルコ語、イタリア語、スペイン語、英語、中国語、タガログ語、ヘブライ語と8カ国語を自由に操り世界各国のお客との会話を楽しむ。ふだんは全身黒の民族衣装でイスラム教を重んじる生活だが、他の宗教や文化にも興味があり、共有できることが楽しいのだという。

故郷レバノンに比べると、ドバイはとてつもなく、早く成長している国で、簡単にはその変化を受け入れることができないと語る彼女。しかし、この町を離れるつもりもない。

「安全で美しく清潔で、夫と暮らし続けるには最適な都市です」

ファーラさんの目標は日本語を習得することだという。名物メニューのライムとミントで作られたアラブの夏の風物詩「バスタスペシャル」をいただきながら、日本語で彼女と語り合える日もきっと遠くない。

(更新日:2006年08月14日)

Passion from around the World
ドバイから、元気になる都会での過ごし方をお伝えします。

編集協力:三菱商事

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