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世界の都市だより

瞳に輝く異文化のこころ バンクーバーのひと

「生まれはカナダ東部のドイツ系の街。英語とドイツ語のほかにフランス語も学んで、教師になったのよ」

キャサリン・コニングスさんはそう振り返る。

「でも世界はヨーロッパだけじゃないと思ってね。30代で日本に行ったんです」

英語を教えながら7年間日本に滞在した。その後、バンクーバー万博の日本館での仕事をきっかけに、カナダに舞い戻り、バンクーバーに移り住んだ。現在は、日本の中高年に向けたカナダ文化体験プログラム「カナディアン・カルチャー遊学」のコーディネーターを務めている。

カナダ文化の定義はなかなか難しい。移民国家カナダは異なる文化を持つ人の集合体だからだ。

「まず先住民について知ってもらいたいから、文化保護区でカヌー彫りなどを体験してもらいます。ほかにテーブルマナー講習に、ガーデニング、カナダ人のお宅を訪問したり、ヨガやネイチャー・ウォークに挑戦してもらったり……」

太平洋側に位置するバンクーバーは、アジアからの移民も多い。体験プログラムでは、中国系カナダ人たちと触れ合う機会も設けている。

瞳の色はさまざまでも、ここに暮らす人たちには共通項がある。自然を気軽に楽しむライフスタイルだ。高層ビルが立ち並ぶダウンタウンの終点は、森が広がるスタンレー・パーク。車で少し走ると、スキーができるグラウス山やサイプレス山。自然は街のすぐそばにある。

「夕方、みなさんをヨットハーバーのレストランに連れて行きます。すると、仕事を終えた人たちがやってきて、次々にヨットが海へと出て行く。そんな、カナダ人の暮らしも知ってもらいたくて、こういう時間をつくっているんですよ」

2010年の冬季オリンピック開催を控えた地元バンクーバーは今、建設ラッシュにわいている。一方でガスタウンに並ぶれんが造りのビルや、街を取り囲む雪をいただいた山々と海、そして先住民のモニュメントは、変わらぬバンクーバーらしさを伝えている。

カナダ人は観光客にもフレンドリーで親切だと言われる。それは多様な文化に接しているからだとコニングスさんは言う。彼女自身も、プログラム参加者から多くを学んだ。だから大好きな日本文化を伝えたいと、体験プログラムのコーディネーターの仕事のほかに、地元の高校でも日本語を教えている。

「たとえ生まれ持った文化が違っても、友達になれる。あなたと同じ人間です」

コニングスさんの瞳には、温かなエネルギーが満ちていた。

(更新日:2006年12月11日)
編集協力:三菱商事

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