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忙しくてもお金がなくても楽しめるのがご近所社会見学。知ってはいても見たことがないあの場所を訪れてみよう。2回目は、「女性のための自衛隊1日見学」顛末(てんまつ)記。
「厳正なる選考の結果、本見学に『当選』されましたのでご連絡いたします」
生まれて初めて受け取った防衛省からの封書には、こんな書面が入っていた。応募したことも忘れかかっていた「女性のための自衛隊1日見学」当選通知だ。
「着方がわかんないー」「わ、ホントにごわごわだ」
陸上自衛隊朝霞駐屯地に常ならぬ声が響く。1日見学の実施日、広報誌の取材2名も含め総勢37名の女性参加者がまず格闘したのは、迷彩服と半長靴。女性隊員の手助けで分厚い布地やごつい紐(ひも)靴になんとか体を収めると、さっそくカメラや携帯で互いを撮影、さながらコスプレ会場である。
「では人員掌握したのち移動です」
「掌握」という専門ぽい言葉にざわめきながら、きびきびとした女性隊員の先導で説明会場へ。集まった女性の多くが1人参加で、首都圏に加え、広島、滋賀から来た人もおり、年齢層は見たところ20代〜30代が中心。元気でかわいい雰囲気の女性が多いが、少女のように線が細い人、大人っぽいメークの人など、正直、自衛隊とは結びつかない容貌(ようぼう)の人も目立つ。ためしに参加の動機を聞いてみると、
「制服フェチなんです」
「筋肉好きで」
「戦闘服が着てみたくて」
事情があり入隊できなかったのでせめて……という声もあったが、多くはミーハー気分、なるほどテンションも高いわけだ。

年に一度の本イベントは今回で6回目。20代女性を対象とした1泊2日の見学ツアーはあったものの、さらに多くの女性や主婦層にも広めたいと日帰り企画が誕生したのだとか。希少な機会を最大限に生かそうというのか内容は盛りだくさん。
まずは、東部方面通信群長による防衛講話。連発される専門用語に面食らうが、自衛隊の組織構成や演習の内容など知らなかった話も多い。
「私、自衛隊に海上や陸上の区別があるのも分かってませんでした……」
ナイショですよと言いながら、ある参加者が白状していた。
続いて記念撮影、音楽隊のミニコンサート、体育館に移動して基本教練体験、と忙しく移動が続く。体育館では教官役の隊員が待ち受けていた。
「群長の指令により、よりすぐりのイケメンを揃(そろ)えました」
号令の下、今日のツアーの随行を務める4人の各班長が登場、一同は4班に分かれて「前へすすめ」「右へならえ」「まわれ右」…一連の動きをざっくり教わる。短時間でサマになるものでもないが、迷彩服で動き回るうちにその気になってくるから不思議だ。
またたく間に昼食の時間を迎えた。駐屯地内の移動はすべてトラックの荷台、もしくは駆け足。あいにく雪がちらつく寒い日だったが、笑い声こそあれ、誰も文句は言わない。班長たちは早くもにわか部下たちの質問攻めに遭っている。
「雨や雪も平気ですか?」
「降ってても、行動中は降ってないことになってます」
その回答にまた「かっこいいー」の声。
(回答は本文最後にて。)






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