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忙しくてもお金がなくても楽しめるのがご近所社会見学。知ってはいても見たことがないあの場所を訪れてみよう。今回は、「淡水ガメ」をぶらり見学。
日本のカメが危ない。
見るからに怖いカミツキガメ、縁日でもおなじみのミドリガメことミシシッピアカミミガメ(以下、アカミミ)。近所の河川でも目にするが、前者は飼育を制限されている特定外来生物、後者は要注意生物に指定されている外来種で、在来種のニホンイシガメやクサガメを脅かす存在として問題視されている。加えて、河川の護岸工事が進んだことで産卵や冬眠場所が減り、淡水ガメたちはピンチにさらされているのだという。
仕事場でイシガメとアカミミを飼うカメ好きとしては聞き逃せない。今回は、神奈川県の鶴見川で行われる淡水ガメの野外調査に2日間参加することにした。これは、世界各地の環境保全に向けた研究調査をサポートするNPO法人「アースウォッチ・ジャパン」が支援するプロジェクトのひとつ。身近な河川のカメを捕獲・計測調査していくことで、謎の多い日本の淡水ガメの生態データを蓄積し実態を把握、保全活動につなげようというのがその目的だ。
「幼稚園のときに、テレビで見たガメラに感激したんですよね」
穏やかな笑顔でカメが好きになったきっかけを教えてくれたのは、プロジェクトの主任研究者・小菅康弘先生。ガメラ好きの少年はやがて淡水ガメの専門家に成長し、現在はNPO法人カメネットワークジャパンの代表理事として、調査全体を仕切る立場となっている。
快晴の土曜日、簡単なレクチャーのあと、最初の作業はカメ捕獲用のカゴを用意すること。エビ網を改造したこのカゴには、後ろに尾のような網が付け足され、捕らえられたカメはこの網をたどれば川から体を出して呼吸ができる。
「あー、またもつれたー」
「あれ? どうやって縛るんだっけ?」
なにせ素人、ロープひとつ扱うのも手際が悪い。手慣れたスタッフがやれば早いに決まっているのだが、資金だけでなく、人的援助をするのが「アースウォッチ・ジャパン」の重要な活動。研究者側としては、調査の重要性を市民に肌で知ってもらう貴重な機会である。この日の市民ボランティアの参加は3人、企業として同活動を支援するHSBCの社員も参加している。協賛企業の社員が参加するのも、特徴的なことだ。
暑さのなか、作業すること1時間少々、畳まれたカゴが積み上げられ、準備万端だ。気がつけば汗だくになっていた。
午後はさっそくカゴを仕掛けに河川敷へ。
「よどみがあって、土があって、木が覆いかぶさっていて…」という、「カメが好きそう」な小さな河岸に陣取り、付近に22のカゴを設置することになった。
エサとなる魚のアラを入れフタをしてセット完了。筆者としては人生初のウェーダー(胴長)を着込み、カゴを抱えてじゃぶじゃぶと川に入り、危なっかしい足取りで設置場所へ向かう。暑さもピークの午後2時だが、鶴見川の水温は27度とほどよく、風も心地いい。
全長42キロあまりの鶴見川は住宅地を流れる都市型河川だが、調査場所は緑が多く周辺住民も保全に熱心なエリア。
だが、ここでも昔ながらの土手は少なく、カメの実態もよく分かっていない。減っていると言われながらも、日本の淡水ガメの実情は分からないことが本当に多いのだという。
午後5時、設置終了。胴長を脱ぎながら、気持ちは明日に飛んでいた。
(回答は本文最後にて)





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