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忙しくてもお金がなくても楽しめるのがご近所社会見学。知ってはいても見たことがないあの場所を訪れてみよう。今回は、「川越七福神巡り」をぶらり見学。

招福の七福神巡りへ

分かりやすい道標が各所に。

午前10時20分、川越駅下車。

服装はダウンジャケットにスニーカー、ななめがけしたカバンには、公式サイトから出力した地図と記念スタンプ用紙、そしてデジタルカメラ。万全の態勢と運動不足の体で本日挑戦するのは、全長およそ6キロの「川越七福神巡り」である。

住宅街の妙善寺・天然寺へ

天然寺の‘癒しの水琴窟’。左の竹筒に耳をあてる。

「妙善寺ってどっちですか?」

歩き出しこそ駅前の交番に駆け込んだが、各所にある道標を目安に住宅街を歩くこと5分、さほど迷うこともなく10時35分(1)妙善寺(毘沙門天)に到着。創建は寛永元年、天台宗のお寺だが建物は新しい。

…閉まっている。

閑散期の平日とあってか、正門も、本堂も閉ざされていた。住職の住居とおぼしき住宅側の横門から入り、すき間からのぞきこんで拝礼。「威光」の神様・毘沙門天参り完了だ。

そのまま東へと向かう。古い瓦屋根の家並みや、露地栽培の野菜販売スタンドを見物しながらすんなりと10時55分(2)天然寺(寿老人=じゅろうじん)着。

境内を囲む大木が印象的なこのお寺は武蔵の国十三仏霊場札所で、本尊は大日如来。長寿を授けるという寿老人参りをすませ、境内の「癒しの水琴窟」に耳をあてたら、かすかな水の音を打ち消すような飛行機と国道16号を行き交う車の音が響いた。

見どころ満載の喜多院への道

次の喜多院へと北上する道中には歴史的な見どころが満載だ。

中院の‘狭山茶発祥の地’記念碑。

まず現れるのは最澄の弟子・慈覚大師が9世紀に開いた「中院」。今でも十分大きい寺だが、江戸初期に大火に見舞われる以前は北・中・南院が並ぶ大伽藍(がらん)。ちなみに境内で薬用に栽培されたお茶が川越茶のルーツだそうで、「狭山茶発祥之地碑」もある。

そのすぐ北が「仙波東照宮」。徳川家康が久能山から日光東照宮へ改葬される際、移動の道中にあるこの地で天海僧正が4日間法要を行ったという。朱塗りの柱や凝った彫刻は「プチ東照宮」といった風情。境内の外には、地元の歴史ファンお手製の「往年の仙波」マップが掲げられていた。東照宮を中心とした寺院群の広がりを描いた力作だ。

11時45分(3)喜多院(大黒天)に到着。広すぎて気がつかなかったが、東照宮と同じ敷地内にある。

喜多院で江戸文化に思いをはせる

だるま市でも有名な川越大師こと喜多院は、いにしえの川越の宗教上の中心地。東照宮の造営に力を尽くし、3代将軍家光の信任も厚かった天海僧正のお膝元(ひざもと)である。

喜多院前の天海僧正像。「気は長く 勤めはかたく 色うすく 食ほそうして こころひろかれ」という長寿歌を残した。

500円を払い、重要文化財・客殿などの拝観へ。江戸城から移築された建築群は貴重な歴史遺産で、目玉は「徳川家光誕生の間」「春日局化粧の間」。将軍様のお風呂やトイレ、懐かしい大河ドラマ「春日局」グッズまであって、うっかりすると数時間いてしまいそうだ。

境内の一画にある五百羅漢も見逃せない。大笑いする顔、動物を抱いて楽しげな顔、なにやら話し合う二人など、533の羅漢石像はすべてが異なる姿形。なんでも深夜に石像の頭をなでていくとひとつだけ温かいものがあり、それは亡き親の顔に似ているそうな。父は存命だが、似た顔発見。「長生きしてください」と一応なでておいた。

道半ばにして足が痛くなってきた。境内の甘酒でひと息ついて、さあ、次へ。

……大黒様を忘れていた! 慌てて駆け戻る。「有福」の神は、本堂横にちょこんと鎮座されていた。

12時30分(4)成田山(恵比寿天)着。成田山新勝寺の別院で、喜多院からは目と鼻の先。交通安全祈願に訪れた車が並ぶ片隅で、「清廉」の恵比寿天を参拝し前半終了だ。

さてここでクイズです。

  • Q1. 川越は昔「河越」とも表記しました。では、この川の名は?
  • Q2. 七福神巡りの寺社内でしばしば見かける座像「おびんずる様」。何に霊験あり?

(回答は本文最後にて)

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