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忙しくてもお金がなくても楽しめるのがご近所社会見学。知ってはいても見たことがないあの場所を訪れてみよう。今回は、茨城県のつくばサイエンスシティで国土地理院「地図と測量の科学館」と宙航空研究開発機構(JAXA)の「筑波宇宙センター」をぶらり見学。
ロビーの床一面に広がる'3D'日本地図。赤と青のめがねをかけ九州から視線を北上させると、山脈が背骨のように走る島国が出現する。山だらけで人が住めるところがごく少なそうな国土で、目立って平らで広いのが関東平野。
「地図と測量の科学館」では、科学技術週間中に開催されたガイドツアーに参加した。ビデオ解説で概要をつかんだところで、いったん外へ。かっぱのお皿のようななだらかなカーブを描く丘に上り、足下を見ると再び大きな日本地図。
「つくば市を中心に半径2200キロの範囲を20万分の1にした球体の一部で、直径22メートルです」
上空300キロから眺めた日本はこんな感じだとか。2282枚のセラミックタイルを使っており、シルク印刷で描かれた地図は色鮮やかでとても美しい。隣に鎮座する、1983年に引退した航空測量機「くにかぜ」や緑豊かな庭園との取り合わせもなかなか乙である。

「これが目当てでねえ」
次に訪れた企画展「古地図コレクション」(すでに終了)では参加者から歓声が。呼び物は伊能忠敬の測量具のレプリカだ。車の回転数で距離を測る量程車、でこぼこした道でも計れる苧麻(ちょま)の間縄(けんなわ)、風に弱い間縄の弱点を補う鉄の棒を組み合わせた鉄鎖…… ああ、見るからに重たそう。50歳をゆうに過ぎてから大荷物を抱えて地球1周ぶんを歩き、測り続けた伊能忠敬。展示されている彼の地図は、正確さはもとより色使いも文字の配置も見やすく、そのデザイン能力も卓越していたことが伝わってくる。
伊能忠敬の地図や資料には、2010年3月に国宝指定の答申が出された。

次の常設展示コーナーには、地図作りの道具から各種の古地図、地図の歴史や仕組みが分かるパネルや体験展示がずらりと並び、なかなかの見応えだ。
目玉の展示物は二つ。ひとつは航空写真から地図を作成する世界最初の'図化機'(1921年製)、そして世界最古といわれるベハイムの地球儀(1492年製)。後者は大航海時代のもので、ヨーロッパとアフリカの輪郭はあるが、アメリカは見あたらない。そして目立って大きく描かれているのは黄金の国・ジパングだ。しげしげと眺めた参加者の、「日本はこのころは存在感ありますねえ」という声に失笑がもれる。
個人的には古地図コーナーが面白かった。歴史で習ったマテオ・リッチの「坤輿(こんよ)万国全図」や幕府の精鋭の手による美麗な地図群は壮観。年代順に眺めると、ぐんぐんとにぎわいを増す江戸の街並み、そして埋め立てがすすむ東京湾の変容に驚く。

2階の展望室から、同館のシンボル的存在の超長基線電波干渉計(VLBI)アンテナを望んだ。
ゆったりと首を動かすこの巨大アンテナは、数十億光年彼方の星々から電波をキャッチし、到達時間差などから地球の姿勢や地殻変動の測定を行う。さらに国内に1200以上ある全地球測位システム(GPS)アンテナ(電子基準点)などの活用で、地図作りや地殻変動の検出に必要なデータの質・量が飛躍的に向上したとともに、意外なことも判明しているという。 「ハワイは年々数センチずつ日本に近づいてきているんですよ」
そういえばマダガスカル島は、古代はオーストラリアと同じ大陸だったはず。遠い未来にハワイと地続きになった日本が見られないのが、ちょっと残念だ。

(回答は本文最後にて)





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