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忙しくてもお金がなくても楽しめるのがご近所社会見学。知ってはいても見たことがないあの場所を訪れてみよう。今回は「ビール工場」をぶらり見学。
緑豊かな庭園を通りぬけた先に現れたのは、赤れんが造りのパブ。中をのぞくと、入り口には銅色に輝く麦汁煮沸器が鎮座し雰囲気満点、奥にはミニ醸造所もある。
「いいですねえ」
さっそくそのパブ「スプリングバレー」にいそいそ入り、見学前の腹ごしらえにランチとオリジナルビールをオーダーした。
本日の見学場所は、キリンビールの横浜工場「キリン横浜ビアビレッジ」。製造・物流部門はもちろんパブ、レストランに公園もある20万平方メートルの敷地では、年間最大50万キロリットルのビールが生産されている。見学も、毎時2回のツアーに加えオプショナルツアーが6種とまるで観光地。迷った末にオプショナルの「エコブルワリーツアー」を選んだ。

運ばれてきたビールは「横濱エール」と「スプリングバレー」。下戸の筆者はランチのカレーをいただく。濃厚なスタウトビールで煮込んだカレーは苦みのある大人な味だ。
同行のビール愛好者2人はオリジナルの味に「のどごしがいい」「あっさりしすぎ」と賛否両論。そんな彼らに'キリンビールのイメージ'を挙げてもらうと、「軽くてさわやか」そして「身近」さらに「いつも新しいことをしている感じ」とも付け加えられた。
スーパードライで躍進したアサヒに1997年に王座を奪われる以前から、キリンは斬新な商品開発に力を注いできた。「一番搾り」からはじまり、「のどごし<生>」、そして2009年にはノンアルコールの「キリンフリー」が大ヒット。市場の動きにうまく対応したキリンは、9年ぶりにシェア1位の座を奪還した。横浜工場は激烈な競争の最前線ではあるが、構内はいたってのどか。平日だが店内はビジネスマンやシニアなどでにぎわっていた。

「のどごし<生>」のポスターが目立つロビーに集合したツアー参加者は、まず会議室に案内され、パワーポイントでのプレゼンテーションを拝聴する。内容は同社の概要と環境への取り組みをまとめたもので、特に後者については説明も力が入る。
1缶350ミリリットルのビールを作るのに必要な水は約3リットル、同工場が1日に消費する水は1万2000立方メートル。これほどの水を必要とするビール造りの手順を、ちょっとおさらいしてみよう。
1.製麦(せいばく:麦に水を含ませ発芽させ、麦芽=モルトにする)
2.仕込み
a)糖化(モルトに湯と副原料を加え、酵素の働きででんぷんを糖に変える)
b)麦汁絞り(濾過〔ろか〕器で麦汁を採る。最初に出る麦汁が「一番搾り」)
c)煮沸(ホップを加え煮沸し、苦みと香りを出す)
3.発酵(酵母を加え低温発酵。アルコールと炭酸ガスが発生する)
4.貯蔵(低温貯蔵し風味と香りを出す)
5.濾過(酵母やたんぱく質を取り除き、透き通ったビールに仕上げる)
6.缶詰め・出荷
煮沸や発酵段階では大量のCO2も排出する。同社では1990年に「2010年、CO2排出量25%削減」を目標にかかげたが、ガスエンジンや風力・太陽光発電などを取り入れた結果、2006年には目標を達成。工場内でもプラスチックは11種類に分別、酵母は飼料や肥料に、麦のかすはキノコの菌床に……と徹底した再利用に取り組み、日本で初めて再資源化率100%を達成したビール工場となった。
「横浜市より分別優良三つ星事業所の認定を受けました」
担当者は胸をはる。

(回答は本文最後にて)





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