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忙しくてもお金がなくても楽しめるのがご近所社会見学。知ってはいても見たことがないあの場所を訪れてみよう。今回は「朝日新聞東京本社」をぶらり見学。
地下鉄大江戸線・築地市場前駅。
市場目当ての観光客に混じって改札を出、90度曲がって階段を上がる。地上に出て最初に目に入る地上16階・地下4階のビルが本日の目的地だ。
「ぶらり日帰り社会見学」最終回の見学地は、朝日新聞東京本社である。外部ライターとして何度も来ているが、見学者として訪れるのは初めての体験。

……カッコいい。
本稿取材中に見てきた数ある企業紹介ビデオのなかでも、一、二を争うスマートさ。
冒頭に鑑賞したビデオには、各地で活躍する記者の様子がドキュメンタリー風にまとめられている。山岳救助隊の訓練を取材する青年記者、都知事に質問する女性記者、バグダッドに向かうベテラン記者。
「常に取材をしていますね!」
上海駐在の記者のきびきびしたせりふに、ぼーっと見ていた筆者もあわててメモを出す。
集まってきた記事は編成フロアで重要度に従い取捨選択、割り付け(レイアウト)され、印刷、発送されていく。一連の工程が要領よくまとめられ、さすがメディアが作る映像は分かりやすい、と妙なところで感心する。

最初の見学場所は5階の報道・編成フロアだ。本日筆者が同行したのは、企業の広報担当者が集う勉強会グループで、紙媒体が生まれる現場に興味しんしんの様子だ。
時刻はまだ14時前。足を踏み入れたフロアには人気(ひとけ)は少なく、校正者用らしい机にはぴしっととがらせた赤鉛筆が詰まったペン立て、その隣には使い込まれた広辞苑。
「赤鉛筆って、久しぶりに見るね」
広いフロアには、間仕切りがない。情報の流れをよくするのが目的だが、唯一、ガラスのドアで仕切られているのがデスクルームだ。
「編集長は日替わりで、全部で4人。激務なのと、報道の公平さを保つためです」
書類に目を通す記者たちの姿をガラスごしにのぞく一行。なんとなく、動物園気分である。向かいにあるのは、「お祭り広場」と表示された打ち合わせ風スペース。
「大きな事件が発生したときは、ここに記者が集合して打ち合わせが行われます。不謹慎ですが大事件だと大騒ぎになるので、'お祭り広場'と内部で呼ばれています」
今日のところお祭りは開催されていないようだが、在室の記者たちはせかせかと忙しそうに見学者を避けながら行き交っている。毎月1000人以上が見学に訪れるという。

続いては4階の地域面編集フロアへ。途中の廊下には壁に埋め込まれた「ぶら下がり棒」があり、見学者もさっそく試して「あー、気持ちいい」。だが、記者がぶら下がっているところは「私は見たことがありません」とガイドさん。
足を踏み入れたフロアには、天井から都道府県のネームプレートが下がっている。「高校野球」というプレートもあるのが朝日新聞社らしい。それぞれのプレートの下が、各県担当の記者机。記者たちが本格的に集まるのは15時すぎだそうで、このフロアもまだ閑散としているが、わが故郷・山梨県のプレートの下ではすでに立ち働いている記者がいて、ちょっとうれしくなった。
フロアを通り過ぎるときに、古い新聞の香りがぷんと立ち上った。田舎の祖父母の家のにおいのような、懐かしさにとらわれる。

(回答は本文最後にて)





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