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Vol.16 ミラノ
ベネチアからフランスのニースをめざす。イタリア北部を横断していく列車旅である。長距離の寝台列車に揺られる旅は、昼の特急列車やローカル列車を乗り継ぐ西欧の旅に変わっていった。乗り継ぎ時間も短い。小雨のベネチアから、寒気が忍び寄るミラノ、そしてジェノバ。そこから海に沿った線路を列車は西へ、西へと進んでいった。予定通りに運行する列車。あまりにスムーズに進む列車に、もう旅は終わったような気になってくる。しかしそれは甘かった。


下川裕治(しもかわ・ゆうじ)
1954年生まれ。「12万円で世界を歩く」(朝日新聞社)でデビュー。おもにアジア、沖縄をフィールドに著書多数。近著に「『格安エアライン』で個人旅行が変わる!」(講談社+α新書)、「鈍行列車のアジア旅」(双葉文庫)、「『生き場』を探す日本人」(平凡社)。

阿部稔哉(あべ・としや)
1965年生まれ。富士山のてっぺんからアフガニスタン一周まで下川 氏に同行してしまったカメラマン。今回は妻の冷たい視線をよそにユーラシア横断。紀行、ポートレート、料理、風景など幅広く撮影。

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