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ニッポン彩発見 広重 五十三次をゆく

歴史の移ろいに想いを馳せる東海道の旅 第八部 新居 静岡県新居町 −湖岸に残る街道唯一の現存関所−

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災害と埋め立てで変わる街並み

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常夜灯は旅人の夜間の便をはかるため、神社の境内や街道の分起点に置かれ、船着場では灯台の役目も果たしていた。写真は船囲い跡の向かいにある秋葉常夜燈で、火防の神としてあがめられていた秋葉山信仰を示した。

地震や津波による関所の移転に伴い、宿場も移動を余儀なくされた。災害があるたびにまず関所と東海道を設置・整備し、それから関所の西側に宿場が築かれたのである。街並みが碁盤の目のようにきちんと区画されているのはそのためで、現在の新居の街は宝永5年以降にできあがったものということになる。

かつては湖だった一帯に建つJR新居駅を出て、国道1号を西へ。途中で右に分かれて浜名橋を渡れば、正式名称を「今切関所」という新居関所跡。現在も安政2(1855)年に建て替えられた面番所(取調べを行ったところ)などの建物が残っており、なかを見学できる。当時全国に53あった関所のなかで当時の建物が残っているのはここだけ。隣には当時の関所や旅の様子がわかる史料を集めた「新居関所史料館」があり、東側には4年前に渡舟場と湖岸の一部が復元された。

江戸時代の旅人はこの渡舟場から関所に入り、西側の大門からそのまま宿場に出たわけだが、現在は関所の南を国道が通っている。まず左に「旅籠紀伊国屋資料館」。名前の通り紀州藩の御用宿で、宿場内の旅籠のなかでもっとも大きく、昭和30年代まで営業していたそうだ。江戸後期の様式を随所に残した明治時代の建物は、現在は資料館として公開され、往時の旅籠の様子がうかがえる資料が展示されている。

国道はその先の疋田弥五助本陣跡、飯田武兵衛本陣跡で突き当たり、左へ向かうのが東海道。古い家々が続く道をしばらく行き、途中で左折して東に戻ると、船囲い場跡と灯台の役目も果たしていた秋葉常夜燈がある。かつてはここまでが浜名湖であったわけだ。

再び東海道に戻ってしばらく行くと一里塚跡があり、その少し先に棒鼻跡。これは道の両側に土塁を築き、一度に大勢が入れないようにしたもので、すなわちここが新居宿のはずれにあたる。

そのまま西進すると、次の宿場・白須賀がもともとあった「元白須賀」と呼ばれる地区にさしかかる。ここを過ぎてさらに西へ進み、国道1号に合流する手前を右折すると、細い急坂を登る。これが潮見坂と呼ばれる坂で、その名の通り、途中で振り返れば、眼下には雄大な太平洋が見えるはずだ。

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本陣に匹敵する規模を誇り、紀州藩の御用宿だった紀伊国屋跡。明治時代の建物は現在は史料館となっている。なかには当時の食事や旅道具などが展示され、当時の旅籠の雰囲気がわかる。名物だったうなぎの蒲焼のタレが入った甕(かめ)も。
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飯田本陣の横の道を入り、そのまま東海道と並行する山裾の道は、5つの寺と2つの神社が集まった「寺道」と呼ばれている。これは宝永年間の災害で宿が流された際、寺と神社を山側に移動させて作られたという。
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潮見坂は白須賀宿へといたる途中の急坂。眼下には遠州灘が見下ろせ、東海道有数の景勝地として知られていた。京を発った旅人は、ここではじめて海を見ることができたという。昇り切れば白須賀宿はすぐそこ。

東海道名物紀行 〜寄り道グルメガイド

かねはちの「上うな重」

清水屋の「小饅頭」

1800円(税込))

丸子のとろろ汁、桑名の焼きハマグリと並んで東海道三大名物と言われるのが、何を隠そうここ新居のうなぎ。海水と淡水が入り交じる汽水湖である浜名湖では、古来うなぎが名産だったという。先代まで養鰻業を営んでいた「かねはち」では、浜名湖の地下水を利用した“活かし場”と呼ばれる設備を備え、数日間うなぎを空腹のままおくことで油を落とし、身が締まったうなぎを食べさせてくれる。地元客も多く、その日締めたうなぎがなくなると店が閉まるので、早い時間に行く方が良いだろう。他に、ひつまぶし(2千円)も人気。

住所:静岡県浜名郡新居町浜名3747

電話:053-594-1274

営業時間:9:00〜19:00(食事は11:00から/売り切れ次第閉店)

定休日:火曜日

文:藤田 健児
写真:熊切 大輔
(更新日:2006年10月12日)

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