日本一の長寿県として知られる沖縄。ところが、近年はその地位が揺らぎ始めています。
厚生労働省が2000(平成12)年に発表した「都道府県別生命表」によると、女性は86.01歳と依然として長寿1位なのですが、男性がなんと26位、77.64歳になってしまったのです。(※「沖縄タイムス」2003年1月1日付記事による)
男性でもお年寄り(65歳)は1位。「年齢階級別死亡率」を見ると、35〜44歳の男性の死亡率は沖縄県がなんとワーストワン。若い世代が平均寿命を下げているんですね。
これは、戦後、アメリカの占領下で、欧米型の食事が本土より早く浸透したことによるのではないかと考えられています。
ビーフステーキ、ハンバーグ、ポークランチョンミート缶詰など、30代、40代といえば、小さな頃から高カロリー、高塩分の味に慣れて育った世代。また、働き盛りですから、仕事上の付き合いなどで外食する機会も多くなります。
加えて、運動不足も寿命を縮めている大きな要因。2003年8月に「ゆいレール」という名のモノレールが開通しましたが、それ以外には沖縄に鉄道はありません。都市部では特に、どこに行くにも車という人が多いのです。
一方、お年寄りたちを見ると、沖縄の伝統料理を食べ、「生涯現役」と畑仕事や漁業に精を出し、動き回っていますので、いつまでも元気なんですね。
豆腐や豚肉、魚介類から良質のたんぱく質を摂取し、ビタミンやミネラルも海藻、緑黄色野菜でしっかりと、また、食物繊維が豊富なイモ類もよく食べる。こうした沖縄伝統の食文化を、若い世代も見習うべきではないでしょうか。

沖縄は1945年から27年間米軍の施策下にあったため、本土より早く食生活が欧米化、近代化した。高カロリーかつ高塩分のポークランチョンミート缶詰は、もとは米軍の保存食。戦後、配給物資として放出され、家庭料理の材料として定着した。また、県内には、ボリュームたっぷりのステーキやハンバーグを提供する店が数多く立ち並ぶ。
写真:嘉納 辰彦
(更新日:2006年07月06日)

岸 朝子(きし・あさこ)
大正12年東京生まれ。 女子栄養学園(現・女子栄養大学)卒。32歳で料理記者としてスタートし、「栄養と料理」編集長を経て、料理専門の編集企画会社「エディターズ」設立。93年より「料理の鉄人」(CX系)の審査員を務め、その批評振りと同時に、誉め言葉「おいしゅうございます」が評判に。
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