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ニッポン彩発見 沖縄の風に吹かれて

Vol.11(最終回) 岸朝子さんが語る、郷土・沖縄の話 沖縄の調味料

塩の専売制度が廃止されてから、ずいぶんと塩の種類が増えましたね。今、市場に出回っている塩はなんと2千種にもなると聞きました。きれいな海に囲まれた沖縄では、島々で自然海塩が作られており、「粟国(あぐに)の塩」「ぬちマース」「雪塩」、「石垣の塩」など、本土でも人気の塩が数多くあります。精製塩と違い、海のミネラルが含まれている海塩はうまみがあるので、ごく少量でもおいしいと感じる味つけにすることができます。

沖縄特産の黒糖も精製せず、さとうきびのしぼり汁をそのまま煮詰めたものなので、カリウム、鉄、カルシウムなどのミネラルが豊富。ビタミンB1、B2も含まれており、コレステロールや中性脂肪を下げる効果があるといわれています。ひとくち大の黒糖はそのままお茶請けになるほか、お菓子や料理の調味料にも使われます。わが家でも粉末状の黒糖を常備しているのですが、煮物などに加えると甘みだけでなくコクもプラスしてくれる便利な調味料です。

泡盛も沖縄では大事な調味料のひとつ。ラフテーを作るときは酒のかわりにたっぷりの泡盛を加えます。陰干しした豆腐をこうじと泡盛に漬け込んで熟成させる「豆腐よう」も、泡盛がなくては生まれなかった沖縄の珍味ですし、沖縄そばを食べるときには欠かせない調味料「コーレグース」は島とうがらしを泡盛に漬け込んだ一品。泡盛を作る過程で出る酒粕は「カシジェー」と呼ばれ、もろみ酢に加工され、健康飲料として出回っています。

ほかにも、昔は各家庭で作られていたみそや島しょうゆなど、独特の食文化によって育まれたものがたくさんあります。これらの自然素材をいかした沖縄ならではの調味料も、この島の長寿に一役買っているといえるのではないでしょうか。

沖縄の方言で、塩は「マース」といい、特に沖縄で作られたものを総称して「シママース」と呼ぶ。「みそと塩は家ヌ主(ヤァヌヌシ)」ということばがあるくらい、塩は昔から大切に扱われてきた。引っ越しの際には、なにをおいてもまずみそと塩を先に家の中に運び込んだといわれている。また、小袋に塩を入れ、お守りとして持ち歩くという。

写真:嘉納 辰彦
(更新日:2006年11月16日)

プロフィール

岸 朝子(きし・あさこ)

大正12年東京生まれ。 女子栄養学園(現・女子栄養大学)卒。32歳で料理記者としてスタートし、「栄養と料理」編集長を経て、料理専門の編集企画会社「エディターズ」設立。93年より「料理の鉄人」(CX系)の審査員を務め、その批評振りと同時に、誉め言葉「おいしゅうございます」が評判に。

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