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ニッポン彩発見 こだわりの生産地

目からウロコの「うまいもん」情報が満載 Vol.10 北海道の西別鮭 徳川将軍へ献上した極上品

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 味の良さ、身離れの良さ、美しい身の色。200年以上前から、その美味をたたえられてきた西別鮭。
 カムイ・トウ(神の湖)と呼ばれた摩周湖の伏流水を水源とする、ヌウシペッ(豊かなる川)西別川を故郷に持つ鮭。まさに神の魚、カムイ・チェプと呼ぶのにふさわしい。極上の鮭(しゃけ)は今年も母なる川に戻ってきました。

多くの河川から、徳川将軍家が選んだ西別川

西別川の河口
西別川の河口

天明6(1786)年の幕府蝦夷(えぞ)地調査のころから、西別鮭の美味は江戸でも評判だったようです。その名声を一気に高めたのは、寛政12(1800)年、幕府の御納戸(おなんど)頭取、戸川安論(やすのぶ)が西別鮭を塩引鮭に仕立て、徳川家斉に献上したことに始まります。

将軍は非常にこの鮭を気に入ったようで、翌13年から幕末まで、西別鮭は将軍家と大奥に献上されることとなり、全国的にもその名を知られるようになりました。

西別川河口近く、別海町の定置網にかかる、極上の銀毛の西別鮭

西別鮭と一口で呼びますが、色々な種別があります。雄雌の区別は当然ですが、ブナと呼ばれる皮に茶色が入った鮭、銀毛と呼ばれる銀鱗に輝く極上の鮭、それぞれ、さまざまな用途で使い分けがされます。もちろん、値段も違います。最高の肉質の鮭は「銀毛の雄」の鮭です。

真っ暗な闇に鳴り響く、鮭の水揚げ

私が取材で訪れたのは、北海道別海町の網元・大豊水産の大橋さん一家が管理する、定置網でした。遠浅の別海の海では、陸から親綱を沖に張り、その左右に定置網を仕掛けていきます。そのため、近い網は海岸から400メートルほど、遠くとも1.5キロしか離れていません。

大漁の西別鮭
大漁の西別鮭
鮮度維持のためすぐに氷水の入った水槽に入れられます
鮮度維持のためすぐに氷水の入った水槽に入れられます
台車を使って手際よく選別されます
台車を使って手際よく選別されます

私が船に乗せてもらった日は運よく大漁で、3千本もの西別鮭が網にかかりました。

大豊水産の男たちが渾身(こんしん)の力でたくし上げる網の中には、猛烈に暴れる無数の鮭がひしめきあい、次から次へと、氷が敷き詰められた船倉にのみ込まれていきます。

この日は1日の休漁をはさんだ水揚げでした。2日分の鮭の水揚げをするということで、浜に集合したのは夜中の零時。12時半には最初の網の引き上げをし、その後、船倉がいっぱいになると、浜に戻り、水揚げをし、また定置網に戻る作業を繰り返し、何とか、午前5時の競りに間にあいました。

最高の西別鮭。船からトラックに移す時に鮮度にこだわります。鮮度維持のため、船倉にも大量の氷を敷きますが、船から漁協までのトラックにも氷を敷き、鮮度にこだわります。仕分け時間短縮のため、トラックに移す時に雄と雌の選別をします。

西別川の加工近くの漁協に到着後、すぐに選別。氷水が入った水槽(すいそう)に移され、競りを待ちます。

雄と雌、ブナと銀、大きさなどで、手際よく選別されます。大豊水産では、女性でも仕分け作業を手伝えるように、台車に工夫をしています。

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