朝日新聞がビートルズ世代に贈る、こだわりエンターテインメントサイト

メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

ホーム設定

Special Contents ひと

  • インタビュー
  • フロントランナー
  • トップ
  • 地球発
  • マネー
  • ライフスタイル
  • 極める
  • からだプラス
  • エンタメ

記事を印刷

地球発

  • バックナンバー

ぬちぐすいを訪ねて

ターンム畑を訪ねて・沖縄・金武町

  • ページ1
  • ページ2

沖縄では、健康的でおいしい食事のあとに両手を合わせ「ぬちぐすい・さびたん(ごちそうさまの意味)」と言うお年寄りが少なくない。直訳すると「命(ぬち)の薬(ぐすい)になりました」である。この地には体によい食材を理にかなった調理法で食す、医食同源の習慣が残されているのだ。

体にいい食材、心がほっとする料理、魂に響く風景。そんな「命の薬」は日本各地で出会うことができる。各地に伝わる「ぬちぐすい」を訪ねる企画、最初の旅はやはり沖繩、知る人ぞ知るちょっとシブめの食材を訪ねてみよう。

湧き水が生み出す、うまい田イモと古酒
町の特性を生かした「ぬちぐすい」を求めて

沖縄県・金武町

金武町はもともとは稲作で知られた町。水田の畦を強化する目的で植えられていた田イモが主役に転じたのは1960年前後から

秋晴れのある日、方言で「ターンム」と呼ばれる田イモの産地、沖縄本島・中部の金武(きん)町を訪れた。沖縄自動車道の金武インターを降り、右手に太平洋を眺めながら快調にクルマを走らせる。国道329号線を北上し、集落に近づいたところで海側にステアリングを切ると、ほどなく田園風景が広がる。

高台から見下ろすと、黄金色と緑色の田んぼがパッチワークのように続き、背後にはコバルトブルーの海。黄金色に色づいているのは稲穂で、緑の葉っぱが田イモだ。

田イモは水イモとも呼ばれる里イモの一種。水田で作られるが、連作障害を防止するために、稲とイモを一年おきに栽培しているのだという。

10月下旬の沖縄は、まだまだ夏さながらの日差しで、セミの声もにぎやかだ。けれど吹き渡る風には涼しさも感じられ、亜熱帯の田んぼにも、実りの秋が訪れているようだ。

冷たく澄んだ水が、文字通りこんこんと湧き出る金武大川。方言で「ウッカガー」と呼ばれ、町の文化財に指定されている

金武町の田イモは、沖縄でも最大規模の生産量を誇っているが、その理由は水にある。この地は琉球石灰岩が広く分布し、湧き水が豊富な水どころとして昔から有名なのだ。集落内の各所に作られた井戸からは、今もきれいな水がこんこんと湧き出し、農業用水などに活用されているという。

集落の中には、きれいに整備された「金武大川」という井戸があり、地元の人たちの憩いの場になっている。水量は1日に千トンとのことで、「長命の泉」という石碑が建てられた井戸の水を汲みに、わざわざ遠くから訪れる人も少なくないそうだ。

さて、田イモ料理を食べに行こう。「カフェレストラン長楽」の「田芋膳」は、その名のとおり田イモを使った料理が7品並ぶ名物メニューだ。

田イモは親イモの周りに7〜10個もの子イモがつくことから子孫繁栄の象徴といわれ、おめでたい席には欠かせない縁起物。親イモ、子イモのほか、ムジと呼ばれる茎まで使った料理で、唐揚げや酢味噌和えなどでさまざまな味を一度に楽しめるのが「田芋膳」の特徴だ。

次のページへ
画面トップへ

※当サイトの推奨ブラウザは、Windows Internet Explorer6.0以上、Netscape7.0以上、Firefox 1.0以上、Macintosh Safari 1.0以上となります。
Copyright The Asahi Shimbun Company. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.
どらくに掲載の記事・写真の無断複製転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。

©朝日新聞社
無断複製転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。