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日本百名山

第1回 富士山 丹沢山 日本百名山

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提供:文化庁

この日本一の山について今さら何を言う必要があろう。かつて私は『富士山』という本を編むために文献を漁(あさ)って、それが後から後から幾らでも出てくるのにサジを投げた。おそらくこれほど多く語られ、歌われ、描かれた山は、世界にもないだろう。

世界一の資格はそれだけではない。山岳史家マルセル・クルツの書いた『世界登頂年代記』を見ると、富士山は633年に役(えん)ノ小角(おづぬ)に登頂され、そしてそんな高い山へ登ったのは、これが世界最初となっている。小角の登山は伝説的であるが、しかし平安朝に出た都良香(みやこのよしか)の『富士山記』には頂上の噴火口の模様が書いてあるから、もうその頃には誰かが登っていたに違いない。一番早く富士山が人間の到達した最高峰の記録を樹てたわけである。しかもこの記録はその後長い間保持され、1522年ポポカテペテル(5452メートル)の登頂まで続いた。約八、九百年もレコードを保っていたことになる。一夏に数万の登山者のあることも世界一だろう。老いも若きも、男も女も、あらゆる階級、あらゆる職業の人々が、「一度は富士登山を」と志す。これほど民衆的な山も稀(まれ)である。

というより、国民的な山なのである。日本人は子供の時から富士の歌をうたい、富士の絵を描いて育つ。自分の土地の一番形のいい山を指して何々富士と名づける。最も美しいもの、最も気高いもの、最も神聖なものの普遍的な典型として、いつも挙げられるのは不二の高根であった。 (後略)

※出典:深田久弥『日本百名山』(1964年新潮社刊)の朝日文庫版から再録

よりみち百名山

詣

全国の浅間神社の総本宮

電話:0544-27-2002

富士山本宮浅間大社(ふじさんほんぐうせんげんたいしゃ)/富士宮市

浅間神社の総本宮にふさわしい堂々たる本宮拝殿

富士山本宮浅間大社の御神体(ごしんたい)は富士山そのもので、頂上には奥宮(おくみや)がある。起源は紀元前27年=垂仁(すいにん)3年と伝わり、本殿、拝殿、楼門などは、1604年=慶長(けいちょう)9年、徳川家康が建立寄進したもの。本殿は、「浅間造り」と呼ばれる珍しい二重楼閣造りで、国の重要文化財に指定されている。

境内には、富士山の雪どけ水が湧出する湧玉池(わくたまいけ)があり、澄みきった池をのぞくとニジマスなどの魚影が見える。

拝殿の後ろに続く二重楼閣造りの本殿。二階建て構造の珍しい建築だ

毎年5月4〜6日に行われる流鏑馬(やぶさめ)祭は、かつて源頼朝が富士山麓で巻き狩りを行った際、神社に奉納した故事に由来する神事で、境内は多くの見物客でにぎわう。

湧出量が毎秒3.6・を超える湧玉池は特別天然記念物
湧玉池から流れ出る水は神田川に注ぎ込み、川べりは富士宮市民の憩いの場となっている
所在地: 静岡県富士宮市宮町1-1
開館時間: 6〜19時(11〜2月)、5時30分〜19時30分(3、10月)、5〜20時(4〜9月)
料金: 見学自由
駐車場: 150台(参拝時30分無料)
交通: JR身延線富士宮駅北口から徒歩10分

食

ご当地グルメの雄、富士宮焼きそば

電話:0544-27-6500

前島(まえじま)/富士宮市

焼きそばをつくり続けて28年、店主の前島美和子さん(右)がひとりで切り盛りしている
前島オリジナルの卵入り焼きそば(450円)

ご当地グルメの祭典「B‐1グランプリ」で、2年連続1位を獲得したのが富士宮市の「焼きそば」。コシのある蒸し麺にキャベツと豚の肉かすをまぜて炒め、最後にイワシやサバのだし粉(削り粉)をかけて食べるのが特徴だ。なかでも、前島は、全国から客が押し寄せる人気店。歯ごたえのある麺に、焦げたソースの香ばしさとだし粉のうまみが効いている。

所在地: 静岡県富士宮市矢立(やたて)町195
営業時間: 8時〜19時30分
定休日: なし
駐車場: 4台
交通: JR身延線富士宮駅から徒歩11分

学

富士の名水が持ち帰り自由

電話:0555-21-1225

道(みち)の駅(えき) 富士吉田(ふじよしだ)/富士吉田市

富士五湖の観光情報をはじめ、周辺の道路情報や天気情報も入手できる
人気の「富士の名水」水くみ場。タンクいっぱいにくんで持ち帰る人が絶えない

2004(平成16)年に国道138号沿いにできた山梨県内12番目の道の駅。軽食コーナーや休憩施設、物産直売所のほか、地下100メートルからくみ上げた富士山の天然水を持ち帰れる無料の水くみ場がある。

エリア内には、体験学習施設「富士山レーダードーム館」(入館料600円)があり、日本の気象観測の象徴として富士山頂で35年間活躍したレーダー&ドームが見学できる。富士山頂の寒さを体験できるコーナーもあるので、ぜひその厳寒の世界を体感してみてほしい。

所在地: 山梨県富士吉田市新屋(あらや)1936-6
営業時間: 9〜19時(軽食コーナーは10〜17時)
定休日: なし
駐車場: 115台
交通: 富士急行線富士吉田駅から山中湖行きバスで10分、サンパーク富士下車、徒歩3分。または、山中湖インター、河口湖インターから車で10分

湯

クラシックな日帰り湯

電話:0555-22-3362

葭之池温泉(よしのいけおんせん)/富士吉田市

桜のシーズンには、浴室の窓からライトアップされた桜を眺められる
「毎日温泉に入っているので、健康そのものです」と5代目主人の渡辺明さん(72歳)

1856年=安政(あんせい)3年創業の温泉施設で、富士山の麓を走る富士急行線の駅名(葭池(よしいけ)温泉前駅)にもなっている。昔から富士登山客の疲れを癒やす温泉として親しまれ、湯治(とうじ)の常連客も多い。泉質は硫酸塩、塩酸、炭酸カルキなどの成分を持つ鉱泉で、アトピーなどの皮膚病に効果があるという。

飲泉も可能で、館内で出される料理やお茶にも使われている。浴室天井には太い梁(はり)が渡され、重厚な黒御影石(くろみかげいし)の浴槽とともに、クラシックな雰囲気が漂う。

所在地: 山梨県富士吉田市下吉田6698
営業時間: 9時〜21時30分
定休日: 毎月1、14、31日(日曜のときは営業)
料金: 500円(50分)
駐車場: 30台
交通: 富士急行線葭池温泉前駅から徒歩3分

食

富士吉田名物「うどん」

電話:0555-22-3555

白須(しらす)うどん/富士吉田市

うどんは「かけ」(左)と「つけ」(右)がともに300円。小盛りは50円安い

富士吉田市のうどんは、かつてこの地域の主産業であった機織(はたおり)りの女工たちの昼食として打たれたのがルーツ。現在、富士吉田市内には50軒以上のうどん店があるが、なかでも白須うどんは、店先に看板やのれんが一切ないにもかかわらず、いつも大勢の客でにぎわっている。中に入ると、厨房と食事スペースが半々に分かれており、すべてセルフサービスである。

食事スペースは、民家の座敷そのもの。冬はコタツもある
麺はすべて店主の手打ち。その手際のよさは見ていて飽きない

麺のコシが強く、すするというより噛み締めるといった感じだ。具は地元でとれた新鮮なキャベツを茹でたものが添えられる。つゆはあっさりめなので、好みによって卓上に置かれた辛みみそを加えるとよい。

所在地: 山梨県富士吉田市上吉田3296-1
営業時間: 11時30分〜14時
定休日: 日曜
駐車場: 6台
交通: 富士急行線富士吉田駅からタクシーで約10分
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