
丹沢(たんざわ)山が今日のように登山者で賑(にぎ)わうようになったのは、いつ頃からだろうか。少なくとも私がむかし丹沢へ行った時は、まだあまり知られていなかったようである。たしか私は『山岳』に出ていた丹沢縦走記を頼りに、青野原から焼山(やけやま)に登りヒメツギあたりまで行って、道が分からなくなって引き返した。それが最初だった。
もちろんもっと早くから武田久吉博士などによって、丹沢山塊は紹介されていたが、それはその頃はまだ数少なかった山好きの間だけだった。武田さんは丹沢には非常に熱心で、この山塊の開拓者あるいは恩人と言ってよいだろう。山の文献や科学に関しては厳密無比の博士の眼が光っている間は、 濶(うかつ)なことは言えない。戦前のことだが、私は自分の本の中で、丹沢の特徴として、どの谷も立派な河原をそなえていることをあげた。他の山では中流以下に持っているような広々とした河原を、丹沢ではすでに上流にそなえている。これは山が古いからその陵夷(りょうい)運動が発達して、次第に平坦に均(なら)されようとしている過程だろう、などと生兵法(なまびょうほう)のことを書いた。
するとそれが武田博士の眼にふれて早速(さっそく)葉書が来た。「丹沢山塊の谷の河原を賞讃されし中に、谷の歴史が古いから? と申され候え共、その反対にてあれは大正12年と翌年1月の震災、又それに続く雨で山が崩れ、押出しの石片が谷を埋めた為にて……云々」。私は今もその葉書を大切に保存している。
丹沢という名前が世間一般に強く印象されたのは関東大震災だろう。その震源地として急に有名になった。しかし登山者が大勢押しかけるようになったのは、それよりずっと後で、おそらく山麓(さんろく)を小田急電車が走るようになり、距離の近い横浜山岳会が塔(とう)ヶ岳の上に山小屋を建てた頃からであろう。横浜山岳会の丹沢に対する貢献も忘れてはなるまい。 (後略)
※出典:深田久弥『日本百名山』(1964年新潮社刊)の朝日文庫版から再録

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電話:0463-95-2006
(大山阿夫利神社社務所)
大山阿夫利神社(おおやまあふりじんじゃ)/伊勢原市
大山祇大神(おおやまづみのおおかみ)を祭神に、古くから信仰を集める大山は、別名雨降山(あめふりやま)(雨を降らす山)とも呼ばれた。雨乞いのほか、江戸時代には大願成就の神として各地に講が結ばれ、大山参りが盛んに行われた。ケーブルカーを利用すれば、中腹の阿夫利神社下社(しもじゃ)までは6分ほど。下社地下道には「大山名水」が湧き出ており、飲むことができる。下社から奥社のある頂上(標高1252m)へは約1時間半の登りとなる。山頂からは、富士山をはじめ、眼下には江の島、三浦半島など相模湾の絶景が広がる。関東三大不動尊のひとつである大山寺(おおやまでら)や、石段の参道脇に軒を連ねる土産物店への寄り道も楽しい。

| 所在地: | 神奈川県伊勢原市大山355 |
|---|---|
| 駐車場: | 120台(市営第2駐車場) |
| 交通: | 小田急線伊勢原駅から大山ケーブル駅行きバスで28分、終点下車、徒歩15分で大山ケーブルカーの追分駅。下社へは2駅6分 |
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電話:0463-95-2004
宿坊(しゅくぼう)かげゆ/伊勢原市
江戸時代から400年続く宿坊かげゆでは、本格的な豆腐会席料理が味わえる。美しい庭園を前に味わう豆腐づくしの料理は、繊細でありながら野趣に富む。「手のかかる料理が多いので、気持ちよく召し上がっていただくために、その準備が大変なんです」と女将(おかみ)さん。大山参りの宿泊客はもちろん、最近では豆腐料理だけを目当てに訪れる日帰り客も多い。

| 所在地: | 神奈川県伊勢原市大山314 |
|---|---|
| 料金: | 1泊2食付1万1000円〜、豆腐会席料理4000円〜(要予約) |
| 駐車場: | 12台 |
| 交通: | 小田急線伊勢原駅から大山ケーブル駅行きバスで24分、大山駅下車すぐ |
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電話:0465-78-3090
町立中川温泉(ちょうりつなかがわおんせん) ぶなの湯(ゆ)/山北町
武田信玄の隠し湯伝説がある西丹沢・中川温泉郷の町立日帰り入浴施設。泉質はアルカリ性単純泉で、肌にやさしい。自前の源泉は、湧出量1日30トンと豊富だ。曜日によって男女が入れ替わる大浴場と小浴場のほか、それぞれ中川川(なかがわがわ)に面した男女の露天風呂もある。2階の大広間が休憩室になっており、飲食物の持ち込みも自由だ。静かでゆっくりできるので登山帰りのリピーターも多い。

| 所在地: | 神奈川県足柄上郡山北町中川645−8 |
|---|---|
| 営業時間: | 10〜19時(平日は18時まで) |
| 定休日: | 水曜(祝日のときは翌日) |
| 料金: | 700円(2時間) |
| 駐車場: | 30台 |
| 交通: | 小田急線新松田駅から西丹沢自然教室行きバスで60分、中川下車、徒歩3分 |
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電話:0463-89-2533
手打(てうち)そば さか間(ま)/秦野市
店主の山好きがこうじて、表丹沢の玄関口大倉の地に開いた手打ちそばの店だ。合掌造(がっしょうづく)りふうの外観。「丹沢の名水にこだわり、季節によって国内の産地を選んだそばを自家製粉して、当日分のそばのみを打っています」と語るのは店主の阪間(さかま)貞治(さだはる)さん(66歳)。そばの実を殻つきのまま製粉した「玄(げん)そば」と殻を取り除いて製粉した「ぬき」、粗挽(あらびき)き田舎せいろの3種類があるが、どれも香りとこしがしっかりしている。

| 所在地: | 神奈川県秦野市堀山下1291 |
|---|---|
| 営業時間: | 11〜18時 |
| 定休日: | 木曜、第3水曜 |
| 駐車場: | 9台 |
| 交通: | 小田急線渋沢駅から大倉行きバスで20分、終点下車すぐ |
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電話:0463-87-9300
県立秦野(けんりつはだの)ビジターセンター/秦野市
大倉地区とよばれるこのあたりは表丹沢登山の玄関口である。広大な県立秦野戸川(はだのとかわ)公園内にあるセンターでは、登山コースの紹介や、丹沢の自然を紹介する企画展、自然教室などを定期的に行っている。図書コーナーには、野鳥や野草の図鑑など自然関連図書もそろい、丹沢周辺の登山や観光ガイドのパンフレット類も充実している。案内カウンターでは、登山や自然などの情報提供も行っているので、登山前にはぜひ訪れたい。

| 所在地: | 神奈川県秦野市堀山下1513 |
|---|---|
| 開館時間: | 8時30分〜16時30分 |
| 定休日: | 月曜(祝日のときは翌日) |
| 料金: | 入場無料 |
| 駐車場: | 150台 |
| 交通: | 小田急線渋沢駅から大倉行きバスで20分、終点下車すぐ |
(更新日:2008年01月17日)
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