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日本百名山

第2回 槍ヶ岳 常念岳 日本百名山

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今さら槍ヶ岳について語るのも愚かなくらい、周知の山である。三千メートルを越える高さと言い、颯爽とした鋭い形と言い、わが国の山の中で最もユニークな存在である。

富士山と槍ヶ岳は、日本の山を代表する二つのタイプである。一つは斉整なピラミッドで悠然と裾を引いた「富士型」であるに反し、他の一つは尖鋭な鉾で天を突く「槍型」である。この二つの相対するタイプは、他の地方の山々に多くの「何々富士」や「何々槍」を生んだ。

私たちがどこかの山へ登って、「あ、富士が見える!」と喜ぶのと同様に、「あ、槍が見える!」という叫び声を聞く。実際そのユニークな岩の穂は見紛うことはない。ひと眼で認め得るのである。どこから見てもその鋭い三角錐は変わることがない。それは悲しいまでにひとり天をさしている。 (後略)

※出典:深田久弥『日本百名山』(1964年新潮社刊)の朝日文庫版から再録

よりみち百名山

食

囲炉裏の炎に心和む

電話:0263-95-2418

嘉門次小屋/松本市

赤々と燃える囲炉裏の炎に心和む

嘉門次小屋は、昔ながらの山小屋らしい外観を今に伝えている。著書『日本アルプスの登山と探検』で上高地を欧米に紹介したイギリス人宣教師のウォルター・ウェストンを案内したのが、腕のよい猟師だった上條嘉門次。ウェストンは、上高地一帯の山岳地形を熟知していた嘉門次の高い登山技術と人柄のよさに惚れ込み、以後20年近くに及ぶ親交を続けた。

登山やトレッキング姿の人たちも多い
甘露煮のイワナと山菜がのった名物の「嘉門次そば」(1500円)

現在のオーナーは、4代目。宿の名物は、1880(明治13)年の建設当時の面影を残す囲炉裏の間。目の前に宮川の清冽な流れがあり、そこに設けた生け簀から揚げたイワナが囲炉裏の炭火で炙られる。香ばしいイワナの塩焼きは900円、定食が1500円。お土産にイワナの薫製1000円もある。

所在地: 長野県松本市安曇上高地4469-1
営業期間: 4月下旬〜11月上旬
料金: 1泊2食付7350円〜素泊5250円
交通: 上高地バスターミナルから徒歩1時間5分

泊

「氷壁」ゆかりの瀟洒な宿

電話:0263-95-2508

徳澤園/松本市

正面1階左は、登山者も利用できる食堂。右奥の三角屋根が宿の入り口
野沢菜チャーハン(800円)が好評

徳澤園は山小屋とは思えない快適な宿だが、もとは明治初期に上高地牧場として開拓された牧場を守る番人小屋だった。井上靖の小説『氷壁』に登場する宿として知られ、上品で落ち着いた館内のインテリアは、気分を和ませる。温泉ではないが、「信濃白炭の湯」は、炭の効果で肌がつるりとする。料理に自家菜園の野菜を使っている。自家発電の電灯は21時30分に落とされる。

所在地: 長野県松本市安曇上高地4468
営業期間: 5月初め〜11月上旬
料金: 料1泊2食付9450円〜(相部屋)1万3650円〜(個室)
交通: 上高地バスターミナルから徒歩2時間10分

泊

日本初の本格的な山岳リゾートホテル

電話:0263-95-2001

上高地帝国ホテル/松本市

昼はコーヒーとケーキ、夜はお酒が楽しめる

1933(昭和8)年開業の上高地帝国ホテルは、スイス風の赤い屋根に象徴される、日本初の本格的な山岳リゾートホテル。建設当時、まだ道路が開通していなかったために、大正池の上を小舟を使って資材を運搬したという。シックで豪華な館内と自慢のフランス料理など、帝国ホテルならではの格調高いサービスで知られる。

自然石と木を大胆に組み合わせた重厚な建物
一流パティシエの腕を感じるイチゴのタルト。ケーキセットは1500円

正面玄関入り口を入ると、中央に2階まで吹き抜けの大きなマントルピースが控えたロビーラウンジ「グリンデルワルト」があり、ホテル周囲の風景となじんでいる。一方、カジュアルな雰囲気が漂うレストラン「アルペンローゼ」は散策の途中に気軽に立ち寄りたくなる空間だ。

所在地: 長野県松本市安曇上高地4468
営業期間: 4月下旬〜11月上旬
営業時間: 「グリンデルワルト」8〜17時、「アルペンローゼ」ランチタイムは11時〜14時30分
料金: 料1室2名まで2万8350円〜(ダブル) 2万9400円〜(ツイン)
交通: 帝国ホテル前バス停下車すぐ

泊

標高1500mの天然温泉

電話:0263-95-2311

上高地温泉ホテル/松本市

梓川を挟んでレンガ色の建物が見える
客室からは、霞沢岳(2646m)の見事な山容が楽しめる

創業が1830(文政13)年にさかのぼる、上高地で最も由緒ある宿。ここを定宿とした文人墨客や登山家も多い。斎藤茂吉、若山牧水、高村光太郎・智恵子夫妻、芥川龍之介、幸田露伴、寺田寅彦、安井曾太郎、井伏鱒二、尾崎一雄、ウォルター・ウェストンなどだ。現在のように交通が便利でなかった時代なので、多くは松本から半日かけて徳本峠を越えてやってきた。ことに芥川龍之介の小説「河童」は、河童橋付近で想を得たものという。上高地の平では天然温泉はわずかに2カ所しかなく、その一つがこの温泉ホテル内にある。ロビーでは飲食ができ、コケモモ、キイチゴ、ブルーベリーなどの高原ジュース(600円)が人気。

所在地: 長野県松本市安曇上高地4469-1
営業期間: 4月25日〜11月中旬
外来入浴時間: 7〜9時、12時30分〜15時30分
料金: 料1泊2食付1万9050円〜外来入浴600円
交通: 帝国ホテル前バス停下車徒歩7分

湯

気軽に立ち寄れる温泉

電話:0263-94-1126

竜島温泉 せせらぎの湯/波田町

近所の人々でいつもにぎわう
檜の露天風呂。神経痛、筋肉痛、冷え性などに効能がある

上高地の帰りに気軽に立ち寄れるのが、松本電鉄沿線にあり、梓川のせせらぎにもほど近い波田町営の「竜島温泉せせらぎの湯」だ。泉質はアルカリ性単純泉で、湧出量は毎分115リットル。内湯はジャグジー付きの浴槽で、露天風呂は掛け流しの檜造り。館内には、そばや各種定食を出す「御食事処せせらぎ」や、宴会ができる予約制の交流室もある。

所在地: 長野県東筑摩郡波田町竜島3452
営業時間: 10〜22時(受付は21時まで)
定休日: 月曜(休日の場合は翌日)
駐車場: 500円、80台
交通: 新島々駅から車で約10分
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