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日本百名山

第4回 剣岳 黒部五郎岳 日本百名山

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北アルプスの南の重鎮を穂高とすれば、北の俊英は剣岳であろう。層々たる岩に鎧われて、その豪宕、峻烈、高邁の風格は、この両巨峰に相通じるものがある。大学山岳部が有能な後継者を育てるための夏期合宿、精鋭を誇るクライマーのクラブが困難なルートを求めて氷雪に挑む道場を、たいていはこの穂高か剣に選ぶのも故あるかなである。

『万葉集』に載っている大伴家持の「立山の賦並に短歌」に讃えられている立山は、今の立山ではなく、剣岳であろうという見解を私は持っている。太刀(剣)を立ちつらねたようなさまであるから「たちやま」と名づけられた。家持の歌に出てくる「可多加比河(片貝川)の清き瀬に……」とか、その歌に和して大伴池主の作った歌の中の「厳しかも巌の神さび……」とかいう描写は、剣岳以外には考えられない。

まことに剣岳は、そんな昔から、それを仰ぐ人々の心を高揚する山である。何よりその風采の豪毅にして颯爽たる点である。日本アルプスの高峰にはそれぞれの風格があるけれど、一つの尖端を頂点として胸の透くようなスッキリした金字塔を作っているのは、この剣岳と甲斐駒ヶ岳ぐらいであろう。

全く剣岳は太刀の鋭さと靱さとを持っている。その鋼鉄のような岩ぶすまは、激しい、嶮しいせり上がりをもって、雪をよせつけない。四方の山々が白く装われても、剣だけは黒々した骨稜を現している。その鉄の砦と急峻な雪谷に守られて、永らく登頂不可能の峰とされていた。弘法大師が草鞋千足を費やしても登り得なかったという伝説はさておき、日本アルプスの山々が登り尽くされる最後までこの峰は残った。 (後略)

※出典:深田久弥『日本百名山』(1964年新潮社刊)の朝日文庫版から再録

よりみち百名山

泊

剱・立山連峰の登山基地として歴史を刻む

電話:076-465-5763

立山室堂山荘/立山町

400年ほど前の江戸初期に建てられ、日本最古の山小屋として国の重要文化財に指定されている「立山室堂」。剱・立山連峰の登山口(標高2450m)に立つこの建物は、古くから立山信仰の登山基地としての役割を担ってきた。

雄山頂上との高低差550mを一望する展望大浴場

それに隣接して、1987(昭和62)年に建てられたのが立山室堂山荘だ。霧の日に登山者を誘導した江戸末期の半鐘や、大正期に地元婦人会から寄贈された行灯がロビーにつるされ、立山室堂のもつ長い歴史の一端をうかがわせる。建物の窓からは、登山口から雄山山頂までのルートが一望できる。現在は剱岳への登山基地としてもにぎわう。

登山口付近から室堂山荘を望む
登山者に好評の弁当は1050円(要予約)
所在地: 富山県中新川郡立山町芦峅寺室堂平
営業期間: 4月17日〜11月25日
料金: 1泊2食付8400円〜
外来入浴: 10〜16時 700円
交通: 立山高原バス室堂ターミナル下車、徒歩10分

泊

渓谷沿いの秘湯

電話:0765-52-1355

名剣温泉旅館/黒部市

名剣温泉旅館は、黒部峡谷鉄道の終着駅・欅平駅から、祖母川沿いの山道を15分ほど歩いたところにある。急流を見下ろす露天風呂は、まるで峡谷に張りついているようだ。1957(昭和32)年の開湯当時は、ここより800メートル上流にあったが、2度の水害を経て今の場所に移った。男女別の露天風呂と、貸し切り露天風呂は、2代目の主人の手によるもの。1995(平成7)年の水害によって源泉が埋まったため、現在は祖母谷温泉から引き湯している。

山菜やきのこなど、峡谷の幸を取り入れた料理も好評。外来入浴や昼食で利用する観光客も多い。

「秘湯を守る会」の会員旅館でもある
主人手作りの露天風呂には素朴さがにじみ出る
山菜ざるそば(790円、夏季のみ)
所在地: 富山県黒部市宇奈月町黒部奥山国有林
営業期間: 5月下旬〜11月10日
料金: 1泊2食付1万6800円〜
外来入浴: 10〜14時 700円
交通: 黒部峡谷鉄道欅平駅から徒歩15分

泊

黒部最奥にある秘境の温泉

電話:0765-62-1038

山小屋祖母谷温泉/黒部市

山小屋から5分ほど歩いたところにある祖母谷地獄
祖母谷温泉は、祖母川と祖父川の合流地点にある

祖母谷温泉の名は、その昔、年老いた女が谷に落ちて死んだ伝説に由来するという。湯が熱いのは、女の嫉妬のせいだともいわれている。

河原には源泉の湯があふれ出ており、山小屋の風呂はそこから引き湯している。隣接するテントサイトは500円で利用できる。欅平駅から歩くと、長いトンネルや橋、湧水があちこちにあり、変化に富んだ山道の風景が楽しめる。

所在地: 富山県黒部市宇奈月町黒部奥山
営業期間: 6月中旬〜11月3日
外来入浴: 10〜16時 500円
料金: 1泊2食付8400円〜
交通: 黒部峡谷鉄道欅平駅から徒歩50分

学

知られざる立山の姿を紹介

電話:076-481-1160

立山カルデラ砂防博物館/立山町

カルデラを下から見上げた様子が疑似体験できる
立山砂防のシンボルともいえるトロッコの実物を展示

立山カルデラの大自然の営みと、富山平野を土砂災害から守る砂防の取り組みを紹介する博物館。

立山黒部アルペンルートの弥陀ヶ原に隣接する立山カルデラでは、火山活動と雨や雪解け水などによる浸食作用によって巨大な窪地が形成されており、ここに堆積した大量の土砂が要因となって度重なる災害をもたらす。その様子を模型や立体映像を使って解説している。

所在地: 富山県中新川郡立山町芦峅寺ブナ坂68
営業時間: 9時30分〜17時(16時30分まで受付) 月曜(祝日の場合は開館)
料金: 400円
交通: 富山地方鉄道立山線立山駅から徒歩1分
駐車場: 18台

食

名水仕込みの地ビールを味わう

電話:0765-65-2277

宇奈月麦酒館/黒部市

左から「カモシカ(ボック)」「十字峡(ケルシュ)」「トロッコ(アルト)」
ビール館のオリジナル商品も販売している

地元・宇奈月産の二条麦と、黒部峡谷を流れる雪解け水を原料に仕込んだ宇奈月地ビールは、国際ビール大賞をはじめ数々の受賞歴を誇る。アルト、ケルシュ、ボックの3種類があり、ガラス越しに醸造工程を眺めながら、できたてのビールが味わえる。ジョッキ(609円)、グラス(472円)、立ち飲み(200円)がある。また、ビールの風味をミックスしたソフトクリーム「地ビールソフト」(300円)も人気だ。

所在地: 富山県黒部市宇奈月町下立687
営業時間: 9時30分〜21時
定休日: 無休
交通: 富山地方鉄道本線下立駅から徒歩5分
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