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日本百名山

第5回 白馬岳 五竜岳 日本百名山

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北安曇から後立山連峰を眺めると、高さは特別ではないが、山容雄偉、岩稜峻れい、根張りのどっしりした山が眼につく。それこそ大地から生えたようにガッチリしていて、ビクとも動かないと言った感じである。これが五竜岳だ。北は大黒の岩峰を経て唐松岳へ続き、南は八峰キレットの嶮によって鹿島槍岳に連なり、昔は後立山縦走中の難関であった。

この近づき難い山も、近年多くの人々に、より近く、よりハッキリと、眺められるようになった。八方尾根に便利なリフトがついたからである。それがなければ、冬そんな高い所まで行くことがなかったに違いない花やかな女性が「あれは何という山?」と連れの青年に訊いているのを、私は一再ならず耳にした。いかに山に無関心なスキーヤーも訊きたださずにはおられないほど、八方から見た五竜はいかめしい。

それはまるで岩のコブだらけの、筋骨隆々といった上体を現している。他の山々のように美しくスマートではない。ゴツゴツした荒々しい男性的な力強さをそなえている。

さらに立派な五竜岳を見たい人は、唐松岳の上から眺めることだ。そこからの五竜は壮大である。越中側の餓鬼谷の底から頂上まで一気にせりあげた姿勢は、実に堂々としている。

昔は越中側の称呼は餓鬼ヶ岳であった。前田氏の藩政時代に奥山廻りと称して信越国境の山々に調査隊が幾度も派遣された。その一番古い記録、元禄13年(1700年)の『奥山御境目見通絵図』には歴と餓鬼ヶ岳と記されている。その後の絵図にも餓鬼ヶ岳の名は動かない。

日本で餓鬼という地名はたいてい岩のけわしい所を言うようであるが、昔後立山連峰を歩いた人たちが五竜へ来て、その累々とした烈しい岩のさまを見て、これを餓鬼ヶ岳と名づけたのは当然と思われる。

後立山連峰という呼び方は、北アルプスが一般登山者に開かれてから通用しだしたものである。藩政時代の絵図にも後立山という名はあった。しかしそれは立山(立山を昔は立山とも呼んだ)から見て、黒部川の対岸の山を後立山と称したのである。

この方面の古記録に委しい中島正文氏の説を借りると「古来針ノ木峠以北がきケ岳の間には数座の山々が連列して居るが、其最高峰のみ後立山と呼ばれ、残余のものは無名の山として従属的に後立山の名に包含され来った。(中略)之れが又後年に至って後立山なるものが何れの山を指すか不明となった遠因を作ったものではあるまいか」。

後立がいずれの山を指すかについては、初期『山岳』誌上で盛んな論争があったが、ゴリュウが五竜に通じる点から、今の五竜岳であろうという説が勝を占めた。しかしその後いろいろ検討の末、昔の後立は今の鹿島槍に相当することが確定的になった。 (後略)

※出典:深田久弥『日本百名山』(1964年新潮社刊)の朝日文庫版から再録

よりみち百名山

泊

多くの登山者から愛されてきたホテル

電話:0261-72-3939

ホテル五龍館/白馬村

初代オーナーが山の案内人だったホテル五龍館は、多くの登山者から愛されてきた宿。1998(平成10)年の長野冬季五輪では、このホテルに宿泊したノルウェー選手団が大活躍し、メダルラッシュに沸いた。

食事は味と安全に配慮した、和食ベースの創作料理。地元の野菜をふんだんに使い、日本海から揚がった魚介類などを毎日仕入れるほか、あきたこまちを自家栽培している。湯は強いアルカリ性泉で、無色透明。入ると肌がつるつるになる。大浴場、露天、サウナを備える。浴槽はかけ流しと循環を併用している。チェックアウトした日も無料で入浴できるので、登山者にはありがたい。

豊富な湯量が魅力の露天風呂
白馬の山々を一望できる立地にある
こだわり抜いた素材を使った料理が並ぶ
所在地: 長野県北安曇郡白馬村北城5056
料金: 1泊2食付1万2075円〜
駐車場: 50台
交通: JR大糸線白馬駅から八方行きバスで5分、八方バスターミナル下車、徒歩10分(JR白馬駅から送迎あり)

湯

数種類の湯が楽しめる温浴施設

電話:0261-72-4832

白馬村国民保養センター 岳の湯/白馬村

30人がゆったりと利用できる広い浴室
通りから一歩入った落ち着いた雰囲気

白馬村国民保養センター岳の湯は、閑静な松林に囲まれた温浴施設。泡、超音波、サウナなど数種類の風呂をそろえる。古くは皮膚病の治療に使われてきたという麦飯石を利用した人工のラジウム温泉は、「疲れが取れて温まる」と利用者からも好評。交通の便が良く、食堂などもあるので便利だ。

所在地: 長野県北安曇郡白馬村北城265-38
営業時間: 12時〜20時30分(7、8月は10時30分〜22時)
定休日: 水曜(7、8月は無休)
料金: 400円
駐車場: 50台
交通: JR大糸線白馬駅から車で5分

遊

特産ブルーベリーの摘み取り

電話:0261-75-3202

白馬ブルーベリー園/白馬村

白馬の気候で育ったブルーベリー
木々の間で色づいた実を摘み取る

白馬ブルーベリー園は、JR飯森駅の裏手、国道148号沿いにある農園。面積は1ヘクタールと、村内のブルーベリー園で最大規模。日中と夜間の温度差が大きい気候で育った紫色の実は、甘みが強い。共同で運営する8軒の農家が20年かけて育てた約2000本のブルーベリーの木は、人の背丈を上回るものも多い。枝から直接摘み取って食べられるほか、1かご(400g)分を持ち帰ることができる。販売も行っている。

所在地: 長野県北安曇郡白馬村神城飯森
営業時間: 9〜17時(7月上旬〜8月中旬)
料金: 1500円(持ち帰り分込み)
駐車場: 40台
交通: JR大糸線飯森駅から徒歩3分

見

白馬に魅せられた画家の作品が並ぶ

電話:0261-72-4685

白馬三枝美術館/白馬村

白馬を題材にした作品が多いのが特徴。左の大きな絵が足立真一郎作「初夏の高原」
作家との思い出やエピソードを話す館長の三枝久則さんは気さくな人柄
白馬で見られる300種類の山野草が植えられた美術館の庭

日本の著名な画家80人の貴重な作品600点を所蔵する白馬三枝美術館。山下清や池田満寿夫、草間彌生をはじめ、所蔵リストにはそうそうたる顔ぶれが並ぶ。館長の三枝久則さんが、40余年の間、白馬を訪れた画家たちとの個人的な交流を通して入手したものがほとんどだ。それだけに、すべての作品に対して思い入れが深く、見学者にエピソードや思い出を話してくれることも。

なかでも来館者の人気を集めるのは、光風会名誉会員・足立真一郎の「初夏の高原」。栂池高原の自然を描いたもので、横162センチ、縦130センチの大作だ。

所在地: 長野県北安曇郡白馬村北城2935
営業時間: 8時30分〜18時(1〜3月は9時30分〜17時)
定休日: 無休
料金: 700円
駐車場: 20台
交通: JR大糸線白馬駅から車で5分

食

多彩な地元の食材で作ったおやきを味わう

電話:0261-72-6010

おやきの山愛/白馬村

多彩な地元の食材を取り入れたおやき。てのひらにのる大きさで、気軽に食べられる
いつも穏やかな笑顔で迎えてくれる猪瀬サチ子店長

「おやきの山愛」は、具に定番の野沢菜やナスのほか、クレソンやブルーベリーを使ったオリジナルおやきを製造・販売する。食材は地元産で、おやきはすべて手作り。信州の伝統食を今の人の好みに合わせて、改良を重ねてきた。薄い皮ともちもちした食感が特徴だ。アレルギーのある人にも配慮して、そば粉は使わない。1個158円(季節の限定品は189円)。持ち帰り用に冷凍したものもある。

所在地: 長野県北安曇郡白馬村北城3020-463
営業時間: 8〜18時(変動あり)
定休日: 第2、4木曜(祝日は営業)
駐車場: 10台
交通: JR大糸線白馬駅から車で8分

(更新日:2008年02月21日)

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