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日本百名山

第6回 鹿島槍岳 笠ヶ岳 日本百名山

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山の名には、冠だの、烏帽子だの、笠だの、頭にかぶるものの名称を取ったものが多い。同じ笠にも、編笠山や遠笠山や衣笠山などあるが、やはり一番多いのは単なる笠ヶ岳である。もちろんそれは笠の形をしているから名づけられたに違いないが、名前だけでは信用出来ない。表から眺めると笠に見えても、横に廻ると全く形の変わるものがあるからである。

それらの多くの笠の筆頭に挙げられるのは、北アルプスの笠ヶ岳である。そしてこの山ほどその名に忠実なものはない。どこから望んでも笠の形を崩さない。遠い立山から見ても、近い穂高から見ても、山麓の平湯から仰いでも、飛騨の高山市から眺めても、すぐそれと指摘出来る、文字通りの笠ヶ岳である。

それほど目立つ端正な山だから、古くから人々の注意を引き、信仰の山となったのは当然だろう。その初登頂者は円空上人と伝えられる。円空は鉈一丁で仏像を刻んだ奇僧で、近年その彫刻が有名になり、展覧会が催されたり、作品の写真集が出たりした。上人は天和三年(1683年)高山に来て五岳練行をした。五岳とは、笠、槍、穂高、焼、乗鞍のことで、彼はその中の乗鞍と笠に登ったと言われる。それ以前にも各地を遍歴し、蝦夷地まで行ったほどの人だったから、この登頂は信じていいだろう。

その後、天明2年(1782年)、高山の宗猷寺の南裔上人が登った。これにはちゃんと記録がある。それから約四十年おくれて播隆上人が登頂した。文政六年(1823年)6月のことで、下山してから山麓の人と語って登山道を完成した。そして同年八月五日、播隆を先達として同行18人が絶頂を極めると、御来迎が雲の中に浮かび、阿弥陀仏が三度出現したので、一同随喜の涙をこぼして奉拝した。これについては播隆の書いた『迦多賀岳再興記』という詳しい記述が残っている。

翌文政7年8月5日、播隆はまたも同勢66名を伴って笠ヶ岳に登頂し、阿弥陀仏を納めた。この日も御来迎の出現が数度に及んだという。彼はこの頂上から遙かに槍ヶ岳の英姿を望んで、それへの登頂の念願をおこし、ついに槍の初登頂者となったことは有名な話である。 (後略)

※出典:深田久弥『日本百名山』(1964年新潮社刊)の朝日文庫版から再録

よりみち百名山

泊

中尾高原の豊かな自然の中に立つペンション

電話:0578-89-2731

中尾高原ヒュッテ/高山市

奥飛騨温泉の中尾高原ヒュッテは、ペンションが立ち並ぶ主要道路から少し山間に入った静かな場所に立つ。オーナーの広瀬巧さんは、中尾高原の豊かな自然と北アルプスを望むパノラマに魅了され、1985(昭和60)年に開業した。「媚びず・飾らず・温かく」がモットーという広瀬さんの懐の広い人柄に、居心地のよさを感じる人は多い。オーナー夫妻が腕をふるう夕食には、名産の飛騨牛や富山湾の魚介などが並ぶ。10ある客室は白を基調とした落ち着いた雰囲気でゆったりくつろげる。24時間入れる露天風呂は、岩露天、ジャグジー、寝湯付き檜風呂の三つで、すべて貸し切りで利用できる。

ダイニングに面したテラスからは、錫杖岳が望める。

夕食のメーンディッシュはもちろん飛騨牛料理
落ち着いた雰囲気のダイニングルーム
外壁が蔦で覆われた建物は、コテージをイメージした風格あるたたずまい
所在地: 岐阜県高山市奥飛騨温泉郷中尾128
料金: 1泊2食付9600円
駐車場: 10台
交通: JR高山本線高山駅から新穂高温泉行きバスで1時間26分、穂高屋前下車、徒歩3分

泊

湯のレジャー感覚と秘湯ムードがほどよく調和

電話:0578-89-2801

水明館 佳留萱山荘/高山市

広さ400平方メートルの露天風呂が魅力の宿・佳留萱山荘。宿が所有する三つの源泉のうち、単純泉と炭酸水素塩泉を混合した湯を、露天風呂に毎分800リットルかけ流している。天然石で囲まれた浴槽内には、7メートルの落差を滑り落ちる温泉の滝や、湯煙が立ちこめる洞窟があり、散策気分で湯浴みが楽しめる。宿泊客は無料で利用できる貸し切り露天風呂は、かつて大豆を炊いた釜を浴槽にしたり、湯船の中のいすが回転したりと遊び心たっぷり。夕食には、飛騨牛の朴葉みそ焼きのほか、富山湾の魚介などが並ぶ。

近くを通る蒲田トンネルのバイパス工事が終了し、いっそう静かな環境となった。「秘湯を守る会」のメンバーでもある。

左側が洞窟風呂。夜はちょうちんが周囲を幻想的に照らし出す
巨大な露天風呂は男女混浴。女性専用の露天風呂もある
飛騨牛の朴葉みそ焼きをはじめ、山や海の幸が並ぶ
所在地: 岐阜県高山市奥飛騨温泉郷神坂555
営業時間: 外来入浴:8〜20時
料金: 1泊2食付1万3800円〜、外来入浴800円
駐車場: 30台
交通: JR高山本線高山駅から新穂高温泉行きバスで1時間24分、佳留萱下車、徒歩2分

湯

出湯の伝説が残る平湯温泉発祥の地

電話:0578-89-3448

神の湯 岳の湯/高山市

番小屋では温泉卵やラムネなども売っている
野趣満点の露天風呂。泉質は硫黄泉

武田信玄が飛騨攻めの際に発見したと伝えられる平湯温泉。なかでも平湯温泉発祥の地とされる神の湯は、国道158号から林道を1キロほど進んだ山の中にある。

木々に囲まれた露天風呂は渓流の音が響き渡り、野趣あふれる雰囲気。貸し切りの釜風呂や岩風呂は別料金(1000円)で利用できる。近くを流れる安房川のたびたびの氾濫から、地元の人々によって手厚く守られてきた湯だ。

所在地: 岐阜県高山市奥飛騨温泉郷平湯788-1
営業時間: 4月15日〜11月中旬 7〜19時
料金: 500円
駐車場: 30台
交通: JR高山本線高山駅から新穂高温泉行きバスで1時間、平湯温泉下車、徒歩15分

食

希少な飛騨牛ホルモンでスタミナ補給

電話:0578-89-2505

奈賀勢/高山市

「テッチャン」は噛むほどに口の中に甘みが広がる

飛騨牛のホルモン焼きが、登山のスタミナ源として人気の食事処。薄口しょうゆだれをベースに、自家製みそと合わせて煮込むのが特徴だ。

なかでも「テッチャン」(1人前800円)は、臭みのない大腸を選んでいるため、軟らかく甘い。常連客はうどんやご飯を混ぜて食べる。1967(昭和42)年の創業当時からの「中華そば」(550円)も有名。

所在地: 岐阜県高山市奥飛騨温泉郷一重ケ根868-3
営業時間: 10〜14時、17時〜21時30分
定休日: 木曜
駐車場: 5台
交通: JR高山本線高山駅から新穂高温泉行きバスで1時間13分、新平湯温泉下車、徒歩1分

買

奥飛騨への思いを投影した作品が並ぶ

電話:0578-89-2781

陶ギャラリーみずたに/高山市

創作に情熱を傾ける水谷靖さん
使いやすく遊び心にあふれた水谷さんの作品

制作の拠点を奥飛騨に置く陶芸家・水谷靖さんのギャラリー兼工房。ギャラリーでは、食器をはじめとした生活に身近な陶器から、三輪車やフクロウなどのオブジェ、一辺4メートルの陶壁まで、幅広い作品の一端に触れることができる。2階はカフェになっており、水谷さんが制作した陶カップで「オーガニックコーヒー」(400円)が味わえる。

所在地: 岐阜県高山市奥飛騨温泉郷一重ケ根203-7
営業時間: 9〜17時
定休日: 火、水曜
駐車場: 6台
交通: JR高山本線高山駅から新穂高温泉行きバスで1時間10分、上地ケ根下車、徒歩2分

(更新日:2008年02月28日)

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