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日本百名山

第7回 立山 薬師岳 日本百名山

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薬師岳は、白馬や槍のような流行の山ではないが、その重量感のあるドッシリした山容は、北アルプス中随一である。ただのっそりと大きいだけではない。厳とした気品もそなえている。

立山の弥陀ヶ原まで上ってきて、まず眼を惹くのはこの薬師岳だろう。南北に長い山の背を、弥陀ヶ原からは縦に望むことになるので、山の形が引き緊まって、堂々とした貫禄のある山にみえる。そのヴォリュームの大きさを満喫するには、雲ノ平から望めばいい。ここからはその長大な尾根を、値打ち通り横から眺めることになる。全く呆れるくらい巨大な壁が眼路の正面を扼している。

私が初めて薬師岳へ向かったのは、私が大学一年生、連れは一高生の熊谷太三郎君、二人でテントをかついで出かけた。熊谷君は現在熊谷組の社長である。当時は立山行の電車は千垣までしか通じていなかった。千垣で一泊して、そこから和田川に沿って登ること七里、もう飛w境に近い高原に有峰と呼ぶ村があった。昔はここが薬師岳の登山口であった。しかし私が行った時にはすでに廃村になっていた。村人は水力電気会社に祖先以来の地を売って、金をふところに山を下った後で、軒が破れ柱の傾いた廃屋が点々としていた。草むらの中に崩れた墓の並んでいるのも哀れであった。

この有峰の高原から眺めた薬師岳の姿は、今も記憶に残っている。むかし有峰の人は、お山は日に五たび色が変わる、と言ったそうだが、夕方、頂上近くの残雪が赤く映えて、下の方から紫色に暮れて行く美しさは、何とも言いようがなかった。八月下旬で、あたりの草原には虫が無間断に鳴いていた。人里を遠く離れたこの山中の孤村もついに滅びかけている、そして平和だった村人が朝夕拝したおごそかな美しい山だけが不壊の姿で残っている、そういう感慨が、まだ若かった私の感傷を揺さぶった。 (後略)

※出典:深田久弥『日本百名山』(1964年新潮社刊)の朝日文庫版から再録

よりみち百名山

泊

有峰林道の玄関口に立つ温泉宿

電話:076-481-1301

国民宿舎 白樺ハイツ/富士宮市

湯は約6キロ離れた有峰ダム付近から引いている

亀谷温泉郷にある白樺ハイツは、薬師岳や黒部五郎岳の折立登山口へ通じる有峰林道の入り口に立つ。1977(昭和52)年の開業以来、登山者の拠点として利用されてきた。大浴場と露天風呂からは、和田川が刻んだ深い渓谷が望める。泉質は硫化水素泉で、つるりとした湯の感触が特徴だ。サウナやジェットバス、家族風呂もある。食事は富山の食材を用いた「会席膳」のほか、焼いたイワナに、熱燗をかけて味わう「岩魚骨酒」や「岩魚の活き造り」などが味わえる。

約5畳のこぢんまりとした露天風呂は、1998(平成10)年に新設したもの

向かいにある富山市大山歴史民俗資料館では、1823(文政6)年に槍ヶ岳を開山した播隆上人の業績が紹介されている。

魚介、野菜など旬の食材をふんだんに使った「立山コース」(4200円)
白樺ハイツは眺めのよい高台にある
所在地: 富山県富山市亀谷1-10
営業時間: 外来入浴:10〜20時
料金: 1泊2食付7950円〜、外来入浴600円
駐車場: 50台
交通: 富山地方鉄道立山線有峰口駅から徒歩20分

湯

「おわら風の盆」の町の公共の湯

電話:076-454-3330

八尾ゆめの森ゆうゆう館/富山市

泉質はナトリウム・カルシウム―塩化物泉。アトピー性皮膚炎に効くと評判だ

八尾ゆめの森ゆうゆう館は、全国から30万人が訪れる「おわら風の盆」で知られる富山市八尾の温泉施設。浴室は祭りをイメージした「おわらの湯」と、江戸時代の町人文化を伝える5月の祭り「八尾曳山」から名づけた「曳山の湯」。露天、泡、サウナ風呂も備える。

そば打ちが体験できる施設や、手打ちそばが味わえる食堂を併設。宿泊もできる。

所在地: 富山県富山市八尾町下笹原678-1
営業時間: 外来入浴:9〜22時(21時30分まで受付)
定休日: 水曜(祝日の場合はその翌日)、9月1〜3日
料金: 1泊2食付9500円〜、外来入浴600円
駐車場: 120台
交通: JR高山本線八尾駅から市営八尾バス環状線左回りで20分、ゆうゆう館下車すぐ

見

ますのすしの製造工程と歴史を紹介

電話:076-429-7400

ますのすし本舗源 伝承館/富山市

江戸時代の弁当容器などが展示された資料館。ガラスの向こうにますのすしの製造工場がある
売店では限定商品もそろう

富山名産「ますのすし」を製造販売するますのすし本舗源。本店の工場では、笹の葉に包んだますのすしを輪っぱに詰めて梱包するまでの製造工程を公開している。機械を使わない製法を披露する「伝承館」や、弁当容器など旅の携帯品を展示する資料館も併設。伝承館の入り口にある売店は、昔ながらの手作りの製法で作った「竹ずし」(3000円)のほか、地酒や海産物、銘菓を販売する。

所在地: 富山県富山市南央町37-6
営業時間: 9〜17時、6〜10月:9〜18時
定休日: 無休
料金: 見学無料
駐車場: 100台
交通: JR富山駅から笹津行きバスで25分、安養寺下車、徒歩10分

見

落差日本一の滝を見上げる

電話:076-462-9971

称名滝/立山町

V字型の断崖から流れ落ちる称名滝。雪が解ける春先には落差500mのハンノキ滝(ネハンの滝)と呼ばれる滝が右側に見られる

日本最大の350メートルの落差がある称名滝。滝つぼの手前1.5キロから先は車は進入禁止で、そこからゆるやかな登り坂を約30分歩くと滝見台園地に着く。滝つぼに近い称名橋に立つと、滝が4段に折れて滝つぼまで滑り落ちる勇壮な姿が見られる。

途中、称名川沿いには、日本画家・川合玉堂の歌碑や若槻礼次郎の漢詩碑などが立つ。

所在地: 富山県中新川郡立山町芦峅寺ブナ坂外国有林
駐車場: 350台
交通: 富山地方鉄道立山線立山駅から称名滝行きバスで20分、終点下車、徒歩30分(バスの運行:4月中旬〜11月上旬)

食

山岳ガイドのオーナーが作るネパール料理

電話:076-482-1200

クムジュン/立山町

ネパールの代表的な家庭料理「ダルバート」(1100円)

山岳ガイドの日本人オーナーが日本人向けにアレンジしたネパール料理が味わえる店。看板メニューのカレーは、チキンやダル(豆)を使ったマイルドな辛さが特徴。ご飯かチャパティ(薄焼きパン)と一緒に食べる。山菜料理もある。

ログハウス風の店内では、現地の手作り雑貨も販売。店名はエベレストの登山ガイドをするシェルパ族が住む村名に由来。

所在地: 富山県中新川郡立山町芦峅寺七姫平
営業期間: 4月中旬〜11月下旬 10〜17時30分(天候、季節により変更あり)
定休日: 不定休
駐車場: 20台
交通: 富山地方鉄道立山線立山駅から車で5分

(更新日:2008年03月06日)

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