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日本百名山

第12回 甲斐駒ヶ岳 仙丈岳 日本百名山

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私の好みで、日本アルプスで好きな山は北では鹿島槍、南では仙丈である。何よりその姿がよい。単純なピラミッドでもなければ鈍重な容量でもない。その姿に軽薄や遅鈍のないところが好きなのである。スッキリとして品がある。ちょっと見ては気づかないが、しばしば眺めているうちに、次第にそのよさがわかってくるといった山である。

南アルプスの山はたいてい連嶺の形を取っているが、その中で仙丈岳は独立のおもむきをそなえている。もちろん山脈に連なっているのだが、隣峰との間に著しい降下がある。遠くから眺めて、ゆったりとしたスカイラインを引いているのが、いかにもおおらかで重厚である。しかも、その厖大な山容が少しも鈍重に見えないのは、みごとなアクセントがついているからだろう。

アクセントとはその山頂部にある三つのカールである。その顕著な刻みが山容を引き緊めている。三つのカールは、藪沢、小仙丈沢、大仙丈沢、それぞれの源頭に大きく口を開いている。甲斐駒から望むと、藪沢と小仙丈沢のカールが、北岳からは小仙丈沢と大仙丈沢のカールが、ハッキリ見える。この三つの窪みには一番おそくまで雪が残るので、特に鮮明な印象を与えられる。

普通もっとも多くの人が採る登山道は、北沢峠から国境尾根を辿って頂上へ達するものである。峠から深い森林の中を一途に登る道は、かなり急で長い。しかしその密林を抜け出て、匐松地帯にかかるとあたりは広濶に展けて、甲斐駒ヶ岳、北岳が手に取るごとくである。頂上に至る手前のコブを小仙丈岳と呼ぶ。

小仙丈の頭を過ぎると、岩の山稜になるが、そこから右手に藪沢のカール、左手に小仙丈のカールが控えている。いかに地形学に弱い人でも納得できるような典型的なカールである。頂上に立って、帰路は藪沢のカールへ下ろう。その底にあたる所に石室がある。そこまでおりて振り返った時、なるほどこれが圏谷というものか、とふたたび分明に認識するであろう。(後略)

※出典:深田久弥『日本百名山』(1964年新潮社刊)の朝日文庫版から再録

よりみち百名山

買

生地の練り加減がもちもち感の秘訣

電話:0265-94-2127

高遠まん頭 あかはね/伊那市

明治時代には十数軒を数えた高遠まんじゅうの店も、現在は4軒を残すのみ。茶色の薄皮と形は統一されているものの、味は各店ごとに微妙に異なる。

ぎっしりと詰まったあんこは日持ちのする上質のコシあん

「あかはね」のまんじゅうは、皮1に対しあん2の割合で作られていて、たっぷり入ったあんこのズッシリ感が特徴だ。生地の練り加減にも工夫を凝らしていて、表面の皮はしっとりとした光沢を見せる。十数分で蒸し上げるもちもちとした食感がたまらない。

あかはねは100年以上の暖簾を守るまんじゅう店だ
高遠まんじゅうの焼き印は、4軒ほぼ共通のものを使う
所在地: 長野県伊那市高遠町西高遠1690
営業時間: 8時〜18時30分
定休日: 水曜
駐車場: 20台(商店街共同)
交通: JR飯田線伊那市駅から高遠行きバスで25分、終点下車、徒歩3分

泊

爛漫の桜と紅葉に包まれる湖畔の宿

電話:0265-94-2200

高遠さくらホテル/伊那市

春は桜、秋は紅葉に彩られる高遠湖の畔に立つ「高遠さくらホテル」。1995(平成7)年のオープン以来、四季を通じて中高年や家族連れでにぎわっている。

温泉は、ぬめりのあるしっとりとした湯が肌に心地いいアルカリ性単純泉。陽光が降り注ぐ大浴場と自然岩に囲まれた露天風呂からは、高遠湖と桜の名所・高遠城址公園が見渡せる。

山菜やキノコなど地元産の新鮮な素材を使った料理は、予約時に懐石料理かフランス料理のどちらかを選ぶことができる。高遠湖に面した和・洋全23室の客室はゆったりとした造りで、窓からの眺望も楽しめる。全室でインターネット接続が可能。

緑色のとんがり屋根が目印。桜のシーズンには予約が殺到する
高遠湖が見渡せる露天風呂
地元の食材にこだわった料理は、懐石もフレンチも本格的な味わい
所在地: 長野県伊那市高遠町勝間217
営業時間: 外来入浴:10〜20時
料金: 1泊2食付1万2500円〜、外来入浴700円
駐車場: 100台
交通: JR飯田線伊那市駅から高遠行きバスで25分、終点で乗り換え、伊那里行きバスで10分、西和手下車、徒歩5分

泊

「気の里」ならではの瞑想室もある

電話:0265-98-1030

入野谷/伊那市

世界的な「気」場(地磁気がゼロに近い場所)として知られる分杭峠に近い「入野谷」。「学習、スポーツなどを楽しみ、豊かな感受性と創造力を開発する」ことを目的に誕生した研修施設だが、宿泊・入浴施設として一般にも開放されている。風呂は、大きなガラス窓のある男女の展望大浴場やサウナ、鉱泉湯「妙水湯」など。「妙水湯」の湯は、日本最古の断層といわれる中央構造線の岩盤からわき出た自然水に、麦飯石、医王石などの鉱物質や薬草を加えたもの。外来入浴もできる。

客室は、トイレ、洗面台のほか読書スタンドなどを備える洋室と8畳の和室の全32室。ともに気兼ねなく過ごせる。4階にある瞑想室は、心を解きほぐすリラクゼーションルーム。ロビーにある「炭素柱」を通し柱とし、大地と屋根が形づくるピラミッドとの間に天と地の「気」を結んでいる。落ち着いた気分に浸れそうだ。

多彩な湯が楽しめる浴場。床暖房の休憩室も隣接する
天の気と地の気を結び、最高のリラクゼーション効果が得られるという瞑想室
春の新緑、秋の紅葉が訪れた人の目を楽しませる
所在地: 長野県伊那市長谷市野瀬405-1
営業時間: 外来入浴:11時〜20時30分
定休日: 水曜
料金: 1泊2食付8400円〜、外来入浴500円
駐車場: 30台
交通: JR飯田線伊那市駅から高遠行きバスで25分、終点で乗り換え、杉島行きバスで40分、入野谷下車、徒歩3分

(更新日:2008年04月10日)

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