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日本百名山

第13回 北岳 間ノ岳 日本百名山

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北岳・間ノ岳・農鳥岳は普通白峰三山と呼ばれているが、これは白馬三山(白馬・杓子・鑓)や、立山三山(雄山・浄土・別山)のように、一括して呼ぶにはあまりに規模が大きすぎる。三山ともそれぞれ独立した山の風格を持っている。それは穂高群の奥穂・前穂・北穂などの差の比ではない。例えば北岳から間ノ岳を眺めよう。おどろくほど厖大な山がデンと座っている。山容から言っても、距離から言っても、全く別の山という感じである。

白峰三山という呼称は、『甲斐国志』に「南北へ連なりて三峰あり」という記事から出た。そしてその三峰は「その北方最も高き者を指して、今専ら白峰と称す。……中峰を間ノ岳或いは中岳と称す。この峰下に、五月に至りて雪漸く融けて鳥の形をなす所あり、土人見て農耕とす、故に農鳥山とも呼ぶ。その南を別当代と云ふ。皆一脈の別峰にして、総て白峰なり」。

すなわち『甲斐国志』の三峰は、白峰、間ノ岳(または中岳、または農鳥山)、別当代、ということになっているのだが、その三峰のそれぞれは、果たして現在の峰のどれに相当するかという点について、小島烏水氏と高頭式氏との間に一大論争があった。それは『山岳』の第七年から第九年(1912〜1915年)に亙って載っているが、互いに古地図や古文献を持ち出しての博引旁証、その上第三者・第四者の横槍が入って喧々囂々、まことに当時の岳人たちののんきな日永を思わせると同時に、それほど山名詮索に熱を入れていた先輩たちに敬意を感じざるを得ない。

『甲斐国志』の指す三峰がいずれにせよ、白峰三山は現在の北岳・間ノ岳・農鳥岳であることに間違いはない。ただ私にとってやや惜しく思われるのは、農鳥という山の名を間ノ岳のために取っておいて欲しかったことである。そして現在の農鳥岳には、南岳あるいは別当代の名を当てたかった。

現在の農鳥岳が確定したのは、その頂上のわずか一尺ほど下の所に、残雪の鳥の形が望見されたことが唯一の根拠になっている。ところがその後、間ノ岳にも歴とした鳥の形の現れることが知られた。双方とも甲州側からの眺めであるが、前者は南を向いた水鳥の姿が白く浮かぶのに引きかえ、後者はそれよりもっと大きく、もっと分明に、嘴を南へ向けた山鳥あるいは雄鶏に似た鳥と言われ、この方は雪が消えて地肌がその形になるというのであった。それは間ノ岳の頂上から出ている二大尾根の間の雪の深い沢に眺めることができた。

おそらく『甲斐国志』に言われた鳥の形は、この間ノ岳のものだろうと思う。前述の論争の間に、この堂々たる山に間ノ岳という屈従的な名をやめて、東俣山(東俣源流に当たるので)と呼んだらどうだろうという説が提出されているくらいだから、私もやはり間ノ岳の代わりに、農鳥山という個性的な古名を存した方が適切だったろうと思う。(後略)

※出典:深田久弥『日本百名山』(1964年新潮社刊)の朝日文庫版から再録

よりみち百名山

泊

櫛形山中腹にある秘湯

電話:0556-22-5188

赤石温泉/増穂町

赤い鉄鉱泉の湯は胃腸病や冷え性に効くといわれる
部屋の格子や手すりなどは、主人自ら丁寧に改修したもの
明治初期創業の歴史ある宿。建物は古い湯宿を改築したものだ

櫛形山の山ふところ、富士川へと注ぐ戸川渓谷に秘湯・赤石温泉がある。朱塗りの屋根が目を引く古風な宿で、玄関先で回る大きな水車がノスタルジーをかきたてる。ロビーのいすや部屋の窓格子、岩を配した内湯や露天風呂など、すべて3代目の主人・保坂卓さんの手づくりだ。大岩で囲まれた露天風呂は、深い森に包まれ開放感いっぱい。内湯には女湯もあるが、露天風呂は原則として混浴だ。

食事は、川魚や馬刺しなど野趣ゆたかな山川の幸が部屋で味わえる。湯上がりには徒歩10分ほどのところにある妙蓮の滝への散策もお勧めだ。

所在地: 山梨県南巨摩郡増穂町平林3243
営業期間: 3月20日〜12月15日
料金: 1泊2食付8900円〜 外来入浴600円(9〜18時)
駐車場: 25台
交通: JR身延線市川大門駅から車で30分

湯

伝説の里にわく女帝の湯

電話:0556-48-2552

奈良田の里温泉/早川町

奈良田の里温泉は、県道南アルプス公園線沿いの傾斜地にある日帰り温泉施設。かつて奈良田に遷居した孝謙天皇がこの温泉で病を癒やしたと伝えられ、別名「女帝の湯」ともいう。豪壮な民家を模したたたずまいで、郷愁を誘う。

檜造りの大浴場は一面ガラス張りで、モミジやカラマツなどの周辺の森が間近に迫り、自然との一体感を満喫できる。ナトリウム―塩化物・炭酸水素塩泉の湯は、42度の源泉かけ流しで、胃腸病や神経痛、糖尿病などに効能がある。

館内には無料の休憩室と食堂「こんぼうす」(奈良田の方言で「食いしん坊」の意味)があり、ニジマスの塩焼きやほうとうなど甲州の郷土料理が味わえる。

窓の外には自然が迫り、四季の変化がはっきりと感じ取れる
鬱蒼とした樹木に囲まれ、秘湯ムードが漂う
きびご飯、山菜、小鉢、漬物つきの「ほうとう定食」(1200円)は入浴客にも好評
所在地: 山梨県南巨摩郡早川町奈良田486
営業時間: 9時〜18時30分(12月1日〜3月31日は17時30分まで)
定休日: 水曜(8月は無休)
料金: 500円
駐車場: 30台
交通: JR身延線身延駅から奈良田行きバスで1時間34分、終点下車、徒歩3分

食

特産のおいしい食材がたっぷりと味わえる

電話:0556-45-2600

南アルプスプラザ/早川町

特産食材いっぱいで人気の定食「アルプス」(1350円)
「チャーシューは私の手作りです」と小泉やよい主任

県道南アルプス公園線沿いにある、特産品などを販売する観光情報センター。地元産のハムやみそ、野菜などを使った料理が味わえるレストランも併設されている。早川町特産のウインナー、スモークレスベーコン、ジャーマンポテトなどが盛りつけられた定食「アルプス」や、口のなかでとろける特製チャーシューが入ったラーメン(650円)も好評だ。

所在地: 山梨県南巨摩郡早川町高住650
営業時間: 9〜17時(ラストオーダーは16時30分)
定休日: 水曜(12月末〜3月末は日曜休)
駐車場: 25台
交通: JR身延線身延駅から奈良田行きバスで40分、七面山登山口下車すぐ

(更新日:2008年04月17日)

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