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日本百名山

第16回 聖岳 光岳 日本百名山

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光岳は駿河・遠江・信濃の三国にまたがり、まず日本アルプスの南のターミナルと見なしていいだろう。さらに南に、大無間山や黒法師岳が続いているが、2千500メートル以上の山は、ここをもって終わりとする。甲斐駒ヶ岳から鋭峰を現し始める南アルプスは、3千メートル級の巨峰を数多連ねて次第に南に及び、光岳をもってその俊英の気を収めるわけである。

山名の魅力に引かれることは稀でないが、光岳もその一つだろう。光と書いて、テカリと読ませるところに味がある。古い記録にはこの山の名は見えないから、比較的新しく名づけられたものに違いない。山頂西面の森林中に巨岩が露出していて、それが夕日にテカリと光るのが下界から認められるからだという。その光岩を私は船越好文さんの写真で知ったが、なるほど断崖のように連なっている大きな岩だった。これなら遠くからでも眼につくわけである。

光岳という名に誘われても、実際に登った人は割合少ないようである。赤石の方から南アルプス主脈を縦走してきても、たいていの人は光岳まで達せずに、東側か西側の谷へ下ってしまう。また南の方から寸又川を溯って光岳に登ろうとするには、途中2泊の小屋泊まりを必要とする。

もう30年も前の夏、私が友人と二人で、二人の人夫を連れて光岳へ行った時には、まだ寸又川からの道はなかった。私たちは遠山川の下栗を発って、最初の晩は易老渡に幕営、次の日道らしくもない道をわけて易老岳に登り、その夜は、易老と光の鞍部の三吉小屋跡と呼ぶ林間の空地にテントを張って寝た。

私たちの計画は、聖を経て赤石岳まで縦走することにあった。この縦走に光岳を加えると、ただそれだけのために2日余計にかかる。そんな日にちの損をしても、私たちはぜひ光岳の頂上を踏みたかったのである。

ところが2日ではすまなかった。鞍部にテントを張った夕方から雨が降りだし、翌日寸時もやまず降り続け、さらにその翌日まで降り通した。3日目の朝、やっと晴天を得て光岳へ向かったが、登って行くうちにまた曇ってきて、頂上に立った時は残念にも展望がなかった。わずかに寸又川の上流が少し窺えるだけであった。北側の谷に立ちこめた霧の中にブロッケンの現れたのが、せめてもの慰めであった。 (後略)

※出典:深田久弥『日本百名山』(1964年新潮社刊)の朝日文庫版から再録

よりみち百名山

泊

天然温泉が自慢の老舗の旅館

電話:0260-34-2030

旅館 大島屋/飯田市

かつて宿場としてにぎわった南信濃和田地区の中心部に立つ旅館 大島屋。遠州(静岡県)秋葉神社の参拝客が泊まった旅籠が前身で、創業は約250年前の江戸中期までさかのぼる。国道152号(秋葉街道)に面した建物は、海鼠壁の3階建ての新館、その奥に旧館が立つ。新館のロビーの脇にある大黒柱は、714(和銅7)年にこの地方を襲った地震で埋没した樹齢700年のヒノキを掘り出し、建材として利用したもの。

海鼠壁の新館は最近完成したばかりで、通りからも目を引く

食事は山菜や川魚など、旬の地元食材を使った郷土料理。風呂は、南アルプス山麓の天然石をあしらった内湯「神代の湯」。ナトリウム、カルシウムを多く含む高濃度塩化物泉の湯で湯船が満たされている。

「神代の湯」は窓が大きく明るい雰囲気
ヒノキの大木から製材した新館ロビーの大黒柱
所在地: 長野県飯田市南信濃和田1394
料金: 1泊2食付7500円〜
駐車場: 10台
交通: JR飯田線平岡駅から和田行きバスで24分、終点下車、徒歩2分

買

地域の特産品が並ぶ直売所

電話:0260-34-5605

遠山物産館/飯田市

特産物直売所「遠山物産館」
渋みのなかの甘みが特徴の赤石銘茶。値段は100gで840円から1570円まで4種類ある

道の駅遠山郷の特産物直売所が「遠山物産館」。近くの農家から持ち込まれた季節の山菜や、キノコ、野菜、雑穀などを販売している。なかでも「赤石銘茶」は、この地方を代表する名産品。長野県内での茶の栽培の北限に近い遠山地区で栽培され、高地で採れるハイランドティーとして知られる。その二番茶を紅茶にした「南アルプスの紅茶 うまいんだに」は土産物におすすめの一品だ。

所在地: 長野県飯田市南信濃和田456
営業時間: 10〜17時(4〜11月)、10〜15時(12〜3月)
駐車場: 117台
交通: JR飯田線平岡駅から和田行きバスで24分、終点下車、徒歩7分

食

シカやイノシシなどの料理が味わえる

電話:0260-34-2012

星野屋/飯田市

煮込むほどに肉が柔らかく、風味も増す熊鍋は、自家製の信州みそで味つけする

星野屋は、クマやイノシシ、シカなどの肉料理の名店。イノシシやシカの肉は、良質な脂肪分を含むため、たくさん食べても胃もたれしない。みそだれで煮込んだ定番のクマやイノシシ肉の鍋料理をはじめ、夏はシカ肉の焼き肉やブルーベリーソースをかけたステーキが人気だ。「山肉フルコース」(5250円)、「熊焼肉満腹コース」(4200円)などのコースのほか、定食、単品もそろっている。

所在地: 長野県飯田市南信濃和田1080
営業時間: 11〜20時
定休日: 木曜
駐車場: 10台
交通: JR飯田線平岡駅から和田行きバスで24分、終点下車、徒歩3分
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