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西日本(白山以西)で一番高い山は、四国の石鎚山と剣山であることは、山の好きな人なら大かた知っていよう。それについで高いのは宮之浦岳と言うと、そんな山はどこにあるかという顔をする人が多い。宮之浦岳は屋久島の最高峰である。鹿児島から南西へ九十余マイル距たった日本最南端の島に、そんな高い山があることを意外に思う人があるかもしれない。
屋久島は、東西約28キロ、南北約24キロ、周囲百キロ、ほぼ円形の孤島で、全島が山で充ち、ほとんど平野らしいものはない。海岸線に沿って、わずかの平地を見出して部落が点在しているが、一歩島の内部へ入ると山ばかりである。
最高峰の宮之浦岳はほぼ島の中央を占め、少し距たって、永田岳、黒味岳が立っている。いずれも1800メートル以上を算するが、それ以下の山になると無数にある。山の頂をタケと呼び、島の人たちに言わせると、そのタケが330もあるそうである。だから海上から望むと、島というより、大きな山が海の上にそびえているように見える。そしてそれを総称して八重岳とも呼んでいる。
屋久島は、古い昔益救と言われていたが、天平14年(742年)大隅国に合し、建久年間(1190〜1199年)島津氏の守護の下に入った。海ぞいの宮之浦部落には、真砂を敷いた奇麗な境内の益救神社があり、これは『延喜式』に「大隅国馭謨郡一坐小益救神社」と出ているほどの由緒のある社である。このお宮から宮之浦という村名が生まれ、その名が山にも冠せられたのである。
全島これ山で、山は森林に覆われている。驚くべき樹木の繁茂ぶりである。下の方は南国産の広葉樹だが、だんだん上へ行くにつれて植物景観が変わって、頂上近くには、寒帯性の高山植物まで見られる。中でも有名なのは屋久杉(一名神代杉)で、その年輪を数えてみると、2千年以上のものも稀ではないという。こんなに樹木の成長のいいのは、海洋気象の影響で湿潤の度が高いからである。俗に屋久島は「一と月に35日雨が降る」とさえ言われている。だからはるばる登山に出かけて行っても、晴天に恵まれることは滅多にないそうだ。 (後略)
※出典:深田久弥『日本百名山』(1964年新潮社刊)の朝日文庫版から再録

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電話:0997-46-3113
屋久杉自然館/屋久島町
1989(平成元)年にオープンした町立の博物館。ほとんどの展示物に触れることができる体験型施設で、屋久杉を通して島の歴史や文化、環境の情報を発信している。フロアに敷き詰められたツガの木が自然の温もりを伝えている。
2階の展示棟の目玉は、2005(平成17)年の積雪で折れた縄文杉の枝「いのちの枝」。樹齢約1000年の5メートルの枝からは、歴史の重みが感じられる。ほかに、江戸時代に年貢として納められていた屋久杉材などを展示し、森林と人々との結びつきがわかる「屋久杉探検館」、亜熱帯から亜寒帯へと移行する屋久島独特の気候を解説した「自然パノラマ館」や「専門展示室」などが設けられている。
1階は、ハイビジョンシアターや企画展示スペース。希望すればガイドスタッフの解説を受けることができるので、登山前の情報収集にも重宝だ。

| 所在地: | 鹿児島県熊毛郡屋久島町安房2739-343 |
|---|---|
| 営業時間: | 9〜17時(入館は16時30分まで) |
| 定休日: | 第1火曜(ゴールデンウイーク・夏休み期間中は無休) |
| 料金: | 600円 |
| 駐車場: | 100台 |
| 交通: | 宮之浦港から栗生橋行きバスで32分、合同庁舎前で下車。紀元杉行きバスに乗り換えて10分、屋久杉自然館下車すぐ |
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電話:0997-43-5900
大川の滝/屋久島町
大川の滝は「日本の滝百選」のひとつに数えられている名瀑。照葉樹林の岩壁を流れ落ちる水量豊かな滝は落差88メートル。大小200以上の滝がある屋久島の中でも随一のスケールを誇る。険しい岩肌を豪快に滑り落ちる光景と水音は迫力満点。天から降り注ぐような水しぶきが心地よく広がり、滝周辺は清涼感にあふれている。
駐車場からは、遊歩道を通り徒歩5分ほどで到着。さらに滝壺付近まで歩いて近づくこともできる。近くには「日本の名水百選」に選ばれている「大川湧水」がある。

| 所在地: | 鹿児島県熊毛郡屋久島町栗生 |
|---|---|
| 料金: | 見学自由 |
| 駐車場: | 4台 |
| 交通: | 宮之浦港から大川の滝行きバスで1時間40分、終点下車、徒歩5分 |
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