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Vol.05 金子光晴「マレー蘭印紀行」の世界を歩きたい(2)
金子光晴の「マレー蘭印紀行」の週末旅に出た。前回はシンガポールからジョホールバルまで。今回は彼がマレー半島の旅の拠点にしたバトゥパハを歩いた。
1928年(昭和3年)、金子光晴は、妻の森三千代を連れて長崎から上海に向かう。目的地はパリ。しかし金はなかった。金子光晴は怪しげな絵を描き、借金を重ね、シンガポールへ。妻の三千代を先にパリに向かわせる。ひとり分の船賃しかなかったのだ。
ひとりになった金子はマレー半島を目的もなく歩く。妻を追ってパリに向かわなくてもいいのかもしれない。
逡巡(しゅんじゅん)を抱え、彼はマレー半島の熱帯雨林の奥へ、奥へと入って行くのだ。
その旅で彼が気に入ったのがバトゥパハだった。「マレー蘭印紀行」も、バトゥパハからさかのぼったセンブロン川の船旅からはじまる。
(ジョホールバルまでは前号参照)
マレー半島内はバス便が便利だ。便数も多く、それに安い。当日でも簡単に乗ることができるので、あえて予約する必要はない。バスターミナルに出向き、切符を買うだけだ。クアラルンプールからは、日曜出発のエアアジアで帰国した。

下川裕治(しもかわ・ゆうじ)
1954年生まれ。「12万円で世界を歩く」(朝日新聞社)でデビュー。おもにアジア、沖縄をフィールドに著書多数。近著に「『格安エアライン』で個人旅行が変わる!」(講談社+α新書)、「鈍行列車のアジア旅」(双葉文庫)、「『生き場』を探す日本人」(平凡社)、「世界最悪の鉄道旅行 ユーラシア横断2万キロ」(新潮社)。


中田浩資(なかた・ひろし)
1975年生まれ。97年から99年の北京滞在中、通信社の写真記者として報道写真に携わる。2004年からフリーランス。旅行、人物ルポを中心に雑誌、広告などで活動中。
Hiroshi NAKATA website http://nakata-photo.jp/






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