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Vol.09 週末アジアで星星峡へ(2)
極めて荒涼とした光景が広がり、そこから先は果てしない異国といわれている──。
そういわれる中国の星星峡(シンシンシャ)をめざした。
日本から厳寒のウルムチへ。そこから列車で哈密(ハミ)に向かう。哈密からバス便はあったが、時間的に難しく、駅前でタクシーをチャーターした。哈密はオアシス都市で、ポプラの木々に包まれていたが、30分も走ると、砂漠地帯に入っていった。ところどころに雪は見えるが、めぼしい木はなにもない。枯れた低木が冷たい風に晒(さら)されていた。
そのなかを1本の道が延びていた。トラックが行き交う道を、タクシーは時速100キロを超えるスピードで星星峡をめざす。
哈密から星星峡までは、約200キロ。
しだいに日も暮れ、空も色を失っていく。平坦な乾燥地帯につくられた道の傾斜が急にきつくなった。周囲はごつごつとした岩山という風景に変わっていく。まるで写真で見た月面を走っているような気になってくる。
この先が星星峡なのだろうか。
飛行機の値段と日程から日本とウルムチを往復し、後は列車というコースになった。敦煌のある柳園までの航空券で行く方法もあるが、飛行機の便数が少ないことがネックになってくる。

下川裕治(しもかわ・ゆうじ)
1954年生まれ。「12万円で世界を歩く」(朝日新聞社)でデビュー。おもにアジア、沖縄をフィールドに著書多数。近著に「『格安エアライン』で個人旅行が変わる!」(講談社+α新書)、「鈍行列車のアジア旅」(双葉文庫)、「『生き場』を探す日本人」(平凡社)、「世界最悪の鉄道旅行 ユーラシア横断2万キロ」(新潮社)。


中田浩資(なかた・ひろし)
1975年生まれ。97年から99年の北京滞在中、通信社の写真記者として報道写真に携わる。2004年からフリーランス。旅行、人物ルポを中心に雑誌、広告などで活動中。
Hiroshi NAKATA website http://nakata-photo.jp/






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