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コカの葉は古来より神聖なものとされてきた。人々はコカを神に捧(ささ)げ、占いに用いる。
植民地時代に宗主国スペインに莫大(ばくだい)な富をもたらしたボリビアのポトシ銀山では、今も坑道の守り神であるティオにコカを捧げ、坑夫たちはコカを噛(か)みながら一日三交代で働いている。コカの葉を石灰と一緒に口に入れ、噛みタバコのように噛むのである。長距離バスの運転手も、よくコカの葉を口いっぱいにほおばって噛んでいる。
コカの葉を使った占いは誰にでもできるわけではない。葉を読むことのできる呪術師が先住民語であるケチュア語で祈りを捧げ、コカの葉によって伝えられた神々からのメッセージを読むのである。葉の大きさや状態、表を向いているか、裏を向いているかなどで葉を読み、未来を占う。

また、マチュピチュ遺跡への観光起点で、街自体が世界遺産でもあるクスコには、コカ製品専門店のコカショップもある。売られているコカ入りのアイスクリームやチョコレートは、日本人にとっては抹茶風味のようだ。さらに、コカを配合したボディークリームやせっけんなども並んでいるが、絶対におみやげにはできない。なぜなら、コカの葉はコカインと同様に麻薬に指定されており、日本には加工品も含め、持ち込みは一切禁止されている。
インカ帝国の栄華に思いをはせながら、クスコで飲むコカ茶はまた格別である。

(取材・文/片岡恭子、構成/野瀬奈津子)



中南米とフィリピンを得意とする秘境者(ひきょうもの)。スペイン留学後、中南米を3年以上放浪。ラジオ・テレビ番組コーディネーター、ガイドブックや雑誌記事執筆となんでもこなす旅のよろずや。NHKテレビスペイン語講座テキストで連載中。
(更新日:2010年02月12日)





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