
小田急線相模大野駅からすぐ、伊勢丹に向かう大通りを1本入った横道に立つビルの2階にある「TEA ROOM東方美人」。今年8月に開店8周年を迎えた同店は、中国茶の喫茶店としては草分け的存在だ。「東方美人」とは、ダージリンにも似た豊かな香りをもつ台湾産の中国茶のこと。台湾で暮らした経験もある店主の禰津弘美(ねつ・ひろみ)さんを訪ねた。

「TEA ROOM東方美人」は、禰津さんとお母さんのふたりで切り盛りしている家庭的なお店。台湾で中国茶と出合ったという禰津さんだが、そもそも台湾とのきっかけは何だったのだろうか。 「私が通った大学には、台湾出身の先生が数人いらして、台湾に提携校もありました。大学2年と3年のとき、研修で台湾を訪れ、人がとても温かくて親切で、いいところだなと感じました。そこで卒業後、台北にある旅行会社に就職したんです」
大学卒業後、いきなり台湾人社会へ飛び込んだ禰津さんを人々は温かく迎えてくれた。

「2年間の台湾生活を経て帰国を前にしたころ、台湾のお茶やデザートはおいしいのに日本にはそういうメニューを出すお店がないと思っていたら、母が、喫茶店をやってみたいと思っていたのよね、と。お店をやろうと決めて、台湾人の友人たちに相談したら喫茶店をやるならこんな学校があるよ、といった具体的なアドバイスをしてくれました。この店を始められたのは、独立心旺盛な台湾人の友人たちが応援してくれたお陰です」と禰津さん。

中国茶をテーマにした旅も企画している禰津さんに台湾の楽しみ方を教えてもらった。
「台北郊外の木柵区に行かれるといいですね。茶畑が広がるこの辺り一帯は猫空と呼ばれ、茶農家が経営する茶藝(ちゃげい)館がたくさんあります。台北市内の夜景を眺められる場所もありますし、夜に行くのもおすすめです。
また、最近、台湾では、お茶を使ったデザートや料理も人気が出てきています。日本人にも入りやすいのは、喫茶趣(Cha For Tea)というお店。お茶の専門店である天仁茗茶が経営していて、お茶を使ったドリンクやデザートのほか、プーアル茶牛肉麺など茶料理も味わえます」
お茶好きの台湾リピーターは少し足を延ばして台中へ行ってみるのもおすすめとか。
「台中には、無為草堂という有名な茶藝館やパールミルクティー(珍珠●茶)の元祖として知られる春水堂もあります」
台湾みやげといえば、やはり中国茶。茶葉購入時のポイントを聞いてみた。
「必ずお茶の専門店へ行き、試飲をさせてもらいましょう。失敗しない目安としては、凍頂(トウチョウ)烏龍茶や木柵鉄観音の場合、1斤(600グラム)千元以上、うちの店の名前にもした東方美人の場合は、最低1斤2千元ですね。お茶うけに用意したいのが台湾産マンゴーの「愛文」という品種を使ったドライマンゴー(芒果干)。肉厚でとてもジューシーです。迪化街(ディホァジェ)の乾物店で売っています」
台湾の魅力とは?
「それはなんといっても人の温かさ、やさしさだと思います」
今年5月に台湾全土で実施されたビジネス誌の調査では、「立派だと思う国」をはじめ、3部門で日本を1位に選んだ台湾の人々。世界でも突出して親日派である台湾は、日本人にとってはリラックスした旅ができる故郷のような場所なのかもしれない。
※1元=約3.6円(2006/8/18現在)
※「●」は「女ヘンに乃」
(更新日:2006年08月29日)

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