
岩間幸司さんは、さまざまなメディアの取材で世界各地の世界遺産を撮影してきた。最近、岩間さんが注目しているのは、6件の世界遺産が登録されているクロアチア。「アドリア海は美しく、料理もおいしい。イタリアを素朴にしたような魅力的な国です」と言う。また、ラオスに10年にわたって通い、ゆるやかな時の流れとおだやかな人々に魅せられて、ライフワークとして作品を撮り続けている。
旅をして憧(あこが)れの世界遺産を訪ねた際、その感動を写真に残したいとシャッターを切る人は多い。デジタルカメラなら撮影した画像をその場で確認できるし、不要な写真は削除すればいいので失敗を恐れることなく写せる。近ごろ人気の高い一眼レフのデジカメで写真を撮るコツを岩間さんに聞いてみた。


「建造物や遺跡などを撮る場合、メインとなる被写体を画面の中央に配置せず、ピントを合わせた後、少しファインダーを左右のどちらかにずらしてみましょう。こうすることで画面が見違えるほど引き締まることがあります。また、全体像を写そうとせず、一部分を切り取ってみるのも効果的です。つい横位置ばかりで撮ってしまいがちですが、たまには縦位置に構え、カメラを上に向けて空を多めに入れてみたり、下に向けて地面を多く入れ込んでみたりして構図に変化をもたせてみるといいでしょう」
意識的に写真の中に人物や木などを入れ込むと、遺跡や建造物などの雄大さがより感じられる作品になる。


いい写真を撮るためには、世界遺産の近くに泊まることが大切だと岩間さんは言う。
「世界遺産の中に宿があるケースもありますし、なるべく近くにあるホテルに泊まるようにしましょう。そうすれば早朝や夕暮れ、夜間など、さまざまな時間帯に何度も足を運ぶことができ、多彩な表情を写すことが可能となります」
写真は、光と影で構成されるため、斜光線で写すと立体感が出て力強い作品になる。色彩に乏しい遺跡や古い建築物も、陰影があることで迫力が生まれる。そのためには夕方や早朝の撮影が最適なのだ。
撮影中に気をつけたいのが盗難。写真を撮ることに夢中になり、注意力が散漫になりがちだ。また、一眼レフのカメラを持ち歩いていると目につけられ、スリや泥棒の標的になりやすい。撮影が終わったら速やかにバッグにカメラを納め、バスや地下鉄といった公共交通で移動中はカメラを見せつけないこと。カメラを入れたバッグは肩からたすきがけにするなどしてしっかり管理しよう。

撮影が旅の目的のひとつである場合、どのようなツールを用意していくべきなのだろうか。「夕景や夜景、ライトアップされた建造物などを撮影するのであれば、やはり三脚は必要です。それ以外では、データを記録するメディアとバッテリー、充電器、旅先に合ったコンセント変換プラグは持ったほうがいいですね。レンズは交換せず1本で十分でしょう」と岩間さんはアドバイスする。
長めの旅で複数の世界遺産を巡る場合、記録メディアの容量では不足することも考えられる。「そうした場合は、ストレージと呼ばれる携帯用のハードディスクを持って行くといいですね。画像を確認できるモニター付きのものもあり、容量も大きいので非常に便利です」
旅の思い出と感動がつまった作品は、帰国後、パソコンの壁紙にしたり、旅日記としてブログで発表したり、ポストカードを作って友人に送付したり……、多様な楽しみ方ができるのもデジカメならではの魅力といえるだろう。
(更新日:2006年10月30日)
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