
高砂 淳二(たかさご・じゅんじ)
自然写真家。1962年、宮城県石巻市生まれ。海の中から生き物、風景まで、地球全体をフィールドに、撮影活動を行っている。夜の虹を完全にとらえた世界で初めてのハワイの自然写真集「night rainbow −祝福の虹−」(小学館)など、著書多数。


なだらかに深くなるのではなくコナ沖で一気に4千メートル以上も落ち込むハワイの海。そこには、深い海ならではの大きな魚たちが集まってくるという。そんな海の魅力について、高砂さんに聞いてみた。
「深い海にはカジキなどの大物が泳いでいるので、トローリングがとても人気があります。もともとビッグ・フィッシングと呼ばれる大物釣りが盛んなところなのです。また、ゴンドウクジラやイルカも多く集まっていて、ホエールウオッチングや、イルカと一緒に泳ぐツアーも人気がありますね。深い海というと黒っぽい感じに思われるかもしれませんが、透き通った明るい青い海です」

ザトウクジラが集まってくると、陸からも見えることがあるそうだ。ダイビングの行き帰りにゴンドウクジラに出会うことも多く、そんな時、状況によっては海に飛び込んでみることもできたりするのだとか。そして何よりも、沖合に出てただ「浮かぶ」体験をしてみてほしいと高砂さんは語る。

「下には何もないわけです。そこに浮かんでいると、最初は怖いと感じるかもしれませんが、慣れてくると上も下もない世界と言いますか、海の青さに自分が染まっていく感じがして、なんとも気持ちがいいのです。体の力がどんどん抜けていき、体がなくなってしまうような感覚になります。考えてみれば、体はほとんどが水分で、それが皮で囲われているようなものですからね。その皮がなくなって海に溶け込んでいくような、そんな気分になれるのです」
こんな神秘的な体験も、深い海ならではのこと。ぜひトライしてみたいものだ。
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