
中山瞭(なかやま・りょう)
航空会社勤務後、旅行ライターとして独立。著書に「スペイン7つの小さな旅」(東京書籍)、「グラナダふだん暮らし」(NTT出版)、「世界歴史の旅・スペイン」(山川出版社/関哲行編、写真・分担執筆)など。


現在、上映中のフランス映画「サン・ジャックへの道」の舞台にもなっているサンティアゴ巡礼の道。ピレネーを越えて聖地サンティアゴをめざす巡礼の道は、欧州各国から多くの巡礼者を集めてきた。世界遺産に登録されており、日本の熊野古道と姉妹路になっている。
「巡礼の道は根強い人気がありますので少しスケジュールに余裕が取れるようでしたらぜひご夫婦で歩かれるといいですね。すべての行程を踏破する必要はありません。おいしい魚介類が多いところですから、途中で土地の味覚を味わったりして気軽に歩かれるといいと思います」と中山さん。
巡礼の道というと約750キロある全行程を歩かなくてはいけないのではないかと考えがちだが、中山さんによれば細切れに来ている人も多いという。毎年やってきて今年はここまでと決め、10年ぐらいかけて全行程を歩き通す人もいるそうだ。
「一応公式に認められている手段は、歩きと自転車と馬です。途中、電車で移動している人もいますよ。私が以前、行った時には時間が限られていたので、電車やバスも利用しました。それでも終着地にあるモンテ・ド・ゴソ(歓びの丘)では厳かな気持ちになりました」と中山さんは言う。
ちなみに徒歩や馬で100キロ以上、自転車で200キロ以上達成した人には、サンティアゴの巡礼事務所で巡礼証明書(コンポステラーノ)が発行される。


「柔軟に考えて自分の好きな場所から歩き始めましょう。信者でなくても道はみんなに開かれていますし、気軽な気持ちで歩かれるといいと思います。実際、ヨーロッパからの観光客はそれほど肩に力が入っていません。日本のお遍路さんと同じような感覚の方もいますし、サイクリング旅行のつもりで来ている人もいます。いろいろな方との出会いも楽しいものです。巡礼と堅苦しく考えず、美味しいものを食べるために歩くというのもありだと思います」と中山さん。道沿いの町では、一説によると、中世の巡礼者であった、ドイツの修道士から伝えられたというワインも味わえる。
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