
美術館や教会でアートとふれあうのも心豊かな時間だが、暮らしの中で綿々と受け継がれてきた職人たちの技を見るのもイタリアらしい旅だ。
「フィレンツェには、大理石のモザイクや木彫、彫金などのすばらしい職人たちがいます。また、革製品の技術が素晴らしく、バッグを作る工房もあります。こうした職人たちは、高度な技術をもち、もはやアーティストともいえる人々。工房にショップが付属しているところもありますよ」と篠さん。


職人たちが作り出すバッグやアクセサリーはいわば貴重な一点もの。イタリアでしか手に入らない思い出深いアイテムといえるだろう。旅の記念に買い求めてみるのも良いのではないだろうか。
「陶器もおもしろいものがありますよ。トスカーナですとモンテルーポが陶器の産地として知られています。フィレンツェから電車で40分ほどの小さな町ですが、フィレンツェで売られているマヨルカ焼きの多くはここが生産地。ウンブリアですとデルータが焼き物の町。イタリアで最も有名な陶器の町はトスカーナの隣り、ボローニャ近郊にあるファエンツァです」と篠さん。
ファエンツァは、15世紀から陶器製造で有名な町。ヨーロッパでも指折りの国際陶磁器博物館があり、メディチ家の宮殿を彩ったマヨルカ焼から現代の陶器までが展示されている。
20年以上にわたってイタリアを訪れている篠さんは、この国の魅力を次のように話してくれた。


「イタリアの町は10年、20年ぶりに訪れても、ほとんど変わらないんです。だから訪れるたびホッとしますし、初めてその町を訪れた時の記憶が甦ってきます。過去のさまざまな出会いも思い出しますし。そうだ、あのレストランの親父は元気かな、と訪ねて行ってみると白髪が少し増えていて、しばらく話しているとあぁそうだ君はあの時の日本人だったな、というような会話がすぐにできるんです。そんな温かさがイタリアのいいところですね」
美しい風景と伝統ある手仕事、そしてぬくもりを感じる人々との交流。イタリアは、旅する喜びがあふれている。

写真:篠 利幸
(更新日:2007年07月04日)

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