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旬旅@ワールド テーマで旅する

イタリアを巡る旅 イタリア国土の真ん中に位置し、豊かな自然に恵まれたトスカーナ州とウンブリア州。そこには花の都フィレンツェをはじめ多くの古都があり、自然と街歩きの両方の楽しみが味わえる。近年では、アグリトゥリズモの旅が人気の兆しだ。フォトジャーナリストの篠利幸さんに、魅力と楽しみ方を聞いた。
フォトジャーナリスト・篠利幸さんに聞く 新しい旅のスタイル「アグリトゥリズモ」

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篠さん

篠利幸(しの・としゆき)

フォトジャーナリスト。毎年イタリアでの取材を重ね、書籍、雑誌等でフォトエッセイや記事などを発表している。「田園のイタリアへ! アグリトゥリズモの旅」(NTT出版)、「トスカーナの青い空」(東京書籍)、「イタリア好き」(ソニー・マガジンズ)など著書多数。

「優雅」とはお金を使うことではなく、時間を楽しむこと

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サント・ピエトロ農園では、春になると花々が咲き誇る。篠さんおすすめ宿1軒目(次のページで紹介)

観光スポットを巡り、グルメやショッピングを楽しむ従来型の旅ではなく、ゆったりとイタリアを楽しみたいというどらく世代におすすめなのがアグリトゥリズモ(アグリツーリズム)。

「アグリトゥリズモとは、農園に宿泊する新しい旅のスタイル。アグリはアグリコルトゥーラ、つまり農業を意味し、観光のトゥリズモと組み合わせた造語です」と篠さんが解説してくれた。

ここ数年、急速に注目を集めているアグリトゥリズモだが、篠さんによるとイタリアでは、1985年にアグリトゥリズモ法という法律ができたそうだ。この法律には、宿は農家が経営すること、宿の収入が全収益の3割を超えないこと、あくまでも主な収入は農産物によるものであり、不足分をアグリトゥリズモで補うこと。そして、経営は家族だけで行い、外部の人を雇って料理を作らせたりしてはいけないといったことが定められているという。

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テヌータ・サン・ヴィート。自家製ワインのボトルがずらりと並ぶ。篠さんおすすめ宿2軒目(次のページで紹介)

「アグリトゥリズモは1960年代に北イタリアの貧しい農家が冷害で収入が激減したのを救うために、労働組合が空いている部屋があったら旅人を泊め、奥さんの手料理を提供して収入を得たら良いのでは、という話から始まったのです。それが80年代になって、世界的に自然に還ろうという動きが生まれました。たとえば、ミラノのような都会に住んでいる人たちはトスカーナの美しい田園風景の中でバカンスを楽しみたいと考えるようになりました。一方、アグリトゥリズモを実践する農家の人たちは、自分の土地を愛し、作っている農産物や村の歴史に誇りを持っています。こういうものをずっと守り続けて子供たちに伝えたい。また、来てくれた世界中の人々と楽しさや喜びを分かち合う、そこに自分たちの幸せがあるから続けているのだという人がほとんどです」と篠さんは言う。

早足ではなく、ゆったりステイを楽しむのがアグリトゥリズモの醍醐味。1週間以上のんびりと農家に滞在して自然を満喫することがおすすめだと篠さん。

「優雅というのはお金を使うことではなく、時間を使うことなのだということを知っていただきたいですね。ただ、農家があるのは田園地帯ですからレンタカーを借りて行かなくてはいけません。そうした不便さは多少あります」

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