
料理とともに楽しみたいのがイタリアワイン。「丘陵にブドウ畑が広がるトスカーナはイタリアでも有数のワインの産地です。キャンティワインロードというのがあって、そこを訪ねてもいいですし、町中にあるワインバーで飲むのもよいでしょう。キャンティクラシコを作っている地域は、“元々、キャンティの産地はここです”ということでクラシコ(クラシック)と名乗っているのです。今はピサ周辺、フィレンツェ、シエナなど総称してキャンティと呼び、トスカーナの代表的な銘柄となりました」と篠さん。
ワインロードを旅する楽しみとは、どんなものなのだろうか。
「醸造所を訪ね、製造現場やワイン蔵を見せてもらい、試飲をさせてもらいます。そして付属しているエノテカ(ワイン販売所)で気に入ったワインを買って帰る。ワイナリーによってはかなり大きなレストランを併設していて、美味しい生ハムやパスタ、ステーキなどを食べることができます」と篠さんは言う。
ただ、旅行者が個人で生産地を訪ね、醸造所を見るのは少々むずかしい。現地の旅行会社ではワイン産地を巡ってワイン蔵の見学や試飲ができるツアーを実施している。町のツーリストインフォメーションで尋ねてみればこうした現地ツアーを知ることができる。


篠さんによると、ワインのつまみとして最も合うのはチーズ(フォルマッジョ)だそうだ。
「とくに赤ワインはチーズと相性ぴったり。羊乳で作ったチーズ、ペコリーノがおすすめです。イタリアは、どこに行っても羊のミルクで作ったチーズがあります。食べ物ひとつとってみてもワインもチーズも熟成させる、つまりじっくり時間をかけています。イタリアには、生活のスローなリズムというものが今も残っているのです。そういうものが基本になった食生活で育つと、人間も自然の流れに沿って気持ちがおおらかになるんですね」と篠さん。
単に美味しさだけを追求するのではなく、食品の安全性や食育といったことに強いこだわりをもつイタリアの人々。旅先で出合った一皿の料理を通じて食べることの大切さを考えてみたい。


写真:篠 利幸
(更新日:2007年07月18日)

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