
辻 啓一(つじ・けいいち)
1948年生まれ。一橋大学卒業後、ロータリー財団給費留学生としてフランス・グルノーブル大学に留学。77年、日本企業の駐在員として再渡仏し、以来フランスに在住。フランス写真家協会会員。著書に『パリの通りの物語』(中央公論新社)『フランスの「美しい村」を訪ねて』(角川新書)など。


現在、フランスでは30の世界遺産が登録されている。パリ近郊は歴史の宝庫であり、世界遺産も数多くあるエリアだ。日帰りも可能なので、ぜひ訪れてみてはいかがだろうか。
「アミアンは、古くからハンザ同盟の1拠点として栄え、今も落ち着いた古い街並が残されています。その中心的な存在が、世界遺産に指定されているノートルダム大聖堂です」と話す辻さん。アミアンは、パリ北駅から急行で約1時間10分ほど。ゴシック様式の大聖堂としてはフランス最大の規模を誇り、ファサードに施された美しい彫刻が見事である。
「運河沿いのサン・ルー地区もおすすめです。かのルイ16世にベネチアにたとえられたというだけあって、運河に沿って色鮮やかな民家が立ち並び、絵のように美しい風景が続きます。昔は水路で水車を回し、染め物や織物などの作業場が集まっていたそうです。現在はカフェやレストラン、ブティックやギャラリーなどもあり、散策にはぴったりでね」


サン・ルー地区よりさらに上流には、湿地を利用した野菜畑が広がっている。水路には小さな橋が架けられ、野菜を運ぶ小舟が浮かび、水辺では水鳥たちが戯れている。昼下がりの午後、そんなのどかな光景を楽しむのもよさそうだ。


話は変わり、その土地のものを味わうのも旅の楽しみのひとつである。アミアンのおすすめの料理について、辻さんに聞いてみた。「ハムやマッシュルームの入ったグラタン風の「フィセル・ピカルドゥ」が名物料理です。街のレストランで楽しめます。素朴な料理ですが、なかなかいけます」
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