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麗しロマン大陸 人ものがたり

私のかけがえのない時間 私のとっておきの「沖縄」よ!(前編)

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「あと30秒ー!」

「はぁい準備オーケー!」

少し日が傾き始めた瀬底島、伸びやかな海岸線に元気な掛け声が飛び交う。

田邉尚子さん

1991年三菱商事入社、2000年から事業開発部(現排出権事業ユニット)で主として排出権ビジネスに携わる。2007年4月からはイノベーション事業グループで社内の新規ビジネス開発支援業務に取り組んでいる。

指笛の合図が15時30分ちょうどを告げた瞬間、浅瀬に点々と立つ人影が一斉に動く。数分後、三々五々戻ってきたプロジェクトメンバーたちの笑い声や報告の声、各自が採取してきた海水サンプルの確認の声などで静かだったビーチがぱっと明るくなった。

「戸惑うことばかりですけど、がんばってます」

不慣れな浅瀬の歩行に息をはずませながら、田邉尚子さん(38)は笑顔を浮かべた。手にしたサンプルは、待ち構えていた別のメンバーの手ですぐに薬品が混ぜられケースに整理されていく。このサンプルは琉球大学瀬底実験所で分析実験され、さらに後日、バクテリアや藻など諸分野の研究者の手に委ねられる。今日の主な目的は、サンゴ礁周辺の海水を複数の定点で何度か同時に採取し酸素の含有量などを調べ、海が現在置かれている状況を見ることだ。

サンゴ礁の保全を目指し三菱商事が2005年にスタートした「サンゴ礁保全プロジェクト」。沖縄、ミッドウェー、セーシェルの世界3地域で、各国の大学、NGO、市民ボランティアと協力し保全活動を行っているプロジェクトで、田邉さんは沖縄の活動にボランティアとして初参加、大学生や各分野の研究者も混じる総勢28名のスタッフのひとりとして5日間を過ごしている。

(左)酸素の量を量るために、サンプルに手早く薬品を混ぜる。(右)夕方の実験室。学生たちが早速分析にとりかかっていた

「僕らは体動かすのが仕事ですから」と笑う学生たち、「去年もおととしも来たんですよ」というベテラン女性ボランティア、雑談しながらも指示を出したり質問に答えるのに忙しい教授陣。「さあ、そろそろ」。声がかかり、今日の最後の回、16時のサンプル採取のためにメンバーは再び定位置に向かう。

「今度は泥も採るので、ちょっと難易度が高いです」。田邉さんもみなを追うように海へ向かった。今回のために新調したというラッシュガード姿もなかなか板についている。

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