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麗しロマン大陸 人ものがたり

私のかけがえのない時間 私のとっておきの「青島」よ!(前編)

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にょきにょきと天にそびえる青島の個性的な高層ビルを背景に、ぴんと帆を張るヨット群が桟橋で出航準備をしている。

飛坂有三さん

1956年生まれの51歳。1980年三菱商事入社、1985年から87年まで韓国釜山事務所駐在、98年から2004年まで米国MitsubishiCement取締役としてカリフォルニア州に赴任。2005年8月より三菱商事(青島)有限公司社長として青島で活動中。

選手やスタッフが慌ただしく動き回るなか、一人乗りの2.4mR艇に乗り組む須藤正和選手を手伝う、青島在住の飛坂有三さん(51)の姿があった。

飛坂さんがNPO法人ヨットエイドジャパンのボランティアを初めてから14年が経つ。身体障がい者セーリング支援に携わる同会の目下の最大目標は、2008年のパラリンピックだ。青島は北京五輪、続くパラリンピックのセーリング(ヨット)競技会場。パラリンピック強化選手4人を中心に総勢11人で今回この地を訪れた目的は、日中友好障がい者セーリング交流イベントだ。「友好」「交流」といいながら、場の空気には緊迫感がある。

「ブロック、さっき渡したでしょう? 持ってないの?」

「中国チームに付いていって、邪魔ぐらいできないと」

3人乗りのソナー艇では、コーチの岩本達也さんから矢継ぎ早に指示が飛び、麻生恒雄さん・濱田美穂さん・野口幸一さんの3選手が懸命に準備を進めている。隣では早々と準備を済ませた中国チームが悠然(ゆうぜん)と出航を待つ。練習量が豊富で、スピードや動き、あらゆる面で学ぶべきことが多い中国に付いていくことが彼らの今日の目標だ。

出航を待つヨット。障がい者も健常者も使うヨットに区別はない

海面に優雅なラインを描いて、須藤さんの2.4mRが先陣を切って出航した。肩まで船体に修め、前方のスティックで操船する2.4mRは障がい者に扱いやすい船。須藤さんはこの船で10年以上のキャリアを持つ日本の第一人者である。

あとを追うように沖に向かうヨット群を、飛坂さんとヨットエイドジャパン代表・大塚勝さんは肩を並べて満足げに見送った。

1996年、アトランタのパラリンピックから公式競技となったセーリング。ヨットエイドジャパンは全国7カ所を拠点に、選手の育成やチームのサポート、障がい者のセーリング体験や福祉授業の受け入れ、障がい者用ヨットの研究開発など多彩な活動を繰り広げている。

スカッドという3人艇に乗る中国チーム。日本の目標だ。
大塚さん(左)は好きなことを言える盟友

「もうあんまり手を広げたくないよ。大変だから」。大塚さんは苦笑する。

「ほっといても勝手に少しずつ広がるしね」と、飛坂さんも返す。

自称「ワル仲間」二人の出会いは1993年のこと。恩師が指導するラグビーのチームで事故が発生、選手が重い障害を抱え、自身も海外赴任先の交通事故の後遺症でラグビーを断念した経験もある飛坂さんが「障害」について考えていた時期でもあった。

「海の上では障害も健常もない。誰も、海の上では歩けませんよね」

そんな思いが、「海で遊んだぶん社会に恩返ししたい」というヨットエイドジャパンの大塚さんへの共鳴を生んだ。障がい者セーリング国際大会の企画運営や障がい者への小型船舶免許に関する運輸省への働きかけなど、「思ったこと・面白そうなことはすぐやる」仲間たちとクリアしたことは数多い。そして2005年、飛坂さんが青島に赴任したことは、今回のイベントでも大きな戦力となった。

「このまま、それぞれができることを楽しくやっていきたいね」。大塚さんはのんびり言う。

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