「この国を漢字1文字で書くとしたら、『明』です」。1996年に語学研修でベトナムに2年滞在し、2002年からは駐在員としてハノイに暮らす河内俊夫さん(37)にとってのベトナムは、「とにかく明るくて、気持ちがいい」国。

河内俊夫さん
1992年三菱商事入社の37歳。東京にて業務部で活動したのち、96年より2年間、ベトナム語学研修生としてハノイに滞在。2002年からは駐在員として赴任、現在三菱商事ハノイ事務所・所長代理として活動中。
人懐こく前向きな人が多く、どこに行っても笑顔に出会える地に暮らすことで、自分も明るくなったように感じるという。「ここで仕事をすること自体が、エキサイティング」という彼がベトナムにかかわり10年あまり。ベトナム人とはほぼ100%ベトナム語で会話をし、同僚のベトナム人女性には「僕がベトナム語で話してばかりいるので、彼女の英語が上達しにくくて申し訳ない」と気遣う。
「英語は、会話での関係性が比較的対等な言葉。でも、ベトナム語には上下関係を示す言葉が多く、細かなニュアンスがあります。ですから、英語で話す時と、ベトナム語で話す時と、彼らの印象はずいぶん違うんですよ」。
語学研修があるアジアの国に行きたかった、という河内さんにとって、ベトナムは当初はさほど思いいれのある国ではなかったが、今は「ずっと、かかわっていきたい」大切な土地になっている。
海外駐在事務所ではさまざまな役割を一人で担う必要があるが、中でも彼が好きなのは、ベトナムでビジネスの種を見つけ、日本に紹介していくコーディネート業務だ。扱うのは主に機械だが、あらゆるビジネスが伸び盛りのベトナムではその範囲に収まりきらない案件も多く、中にはベトナム側にサービスのノウハウがないため、助力や助言を求められることも少なくないという。

「そんな動きを通じて日越両国をつなぐ、いわば、演出家のような仕事かもしれません」。
取材中にも常に周囲のことを気遣い、趣味のテニスでは「サーブはちょっと苦手です。特にダブルスだと、ミスして相手に迷惑をかけたら申し訳ない」という河内さんは気配りの人。異文化をつなぐコーディネーターは確かに適任に見える。
そんな彼が、ビンフック総合病院への医療機器に関する支援活動を通じ、ひとつの出会いを得た。

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