「毎日こう思うの。明日は新しい1日、なにが起こるのかしら、って。」人生を楽しみ、前向きに考えること。それがバーバラ・ピメンテルさんのモットーだ。「誰にでも悪いことは起きるでしょ。それは置いといて、前に進んだほうがいいわ。」会話のはしばしで見せる明るい笑顔は、周囲の空気をぱっと明るくする。

バーバラ・ピメンテルさん
米国三菱商事にPR担当として入社。現在はコーポレート・コミュニケーション業務に従事し、社会貢献活動や広報に携わる。
米国三菱商事でコーポレート・コミュニケーション業務に従事するバーバラさん。入社7年、今後は社会貢献活動のことも含め、もっと三菱商事のことを外にアピールしていきたいと語るが、彼女自身は生粋のニューヨーカー。入社するまで未知の世界だったという日本の企業に対して、違和感はなかったのだろうか?
「違う文化は新しい経験をもたらします。フランスの会社、スウェーデンの会社、日本の会社……どこも違うコミュニケーションの仕方がある。それを学んで、楽しんでいますよ。」ただし、夜遅くまで仕事をする日本の企業風土には今だに驚くこともある。「日本では深夜にあたる時間にメールしても、すぐに東京から返事がくる。「何時だと思ってるの、もう家に帰って!」と言いたくなります」と笑う。

異なる文化をすんなり受け入れるのは、ニューヨーカーに共通した特徴だ。世界中からさまざまな人びとがさまざまな目的で集まるこのまちでは、人と違うことを気にしていたら前へ進めない。加えて彼女は生まれも育ちもブルックリン、日本で言うちゃきちゃきの下町っ子なのである。
「マンハッタンがニューヨークっていうことではないのよ。」金曜夜のブルックリン、バーバラさんの自宅の近所を案内してもらった。古い石造りの家並みが続き、路地では特徴ある黒い帽子をかぶった男達が歩き回ったり語り合ったり。金曜の夜から土曜の夜はユダヤの安息日、厳格に教えを守る人びとはいっさいの労働をせずに礼拝をしたり語り合ったりして過ごすのだという。バーバラさんの家は、ユダヤの人びとが多く住む一角にほど近い。

「以前、安息日にそういう人が帰宅したのに居合わせたことがあって、扉を開けて、と頼まれたことがあるの。それも労働なんですって。」彼女の親は祖父母たちとニューヨークに渡ってきたプエルトリコ系で、彼女はアメリカ合衆国で生まれた1世代目だ。家での会話は英語とスペイン語が入り交じり、学校に行けばパキスタンやカンボジアなど、さらに違った出身地の子供たちと席を並べる。英語ができない子の手助けをしたり、日常的に異文化に触れることでバーバラさんの大らかな笑顔は育まれたようだ。

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