「人に何かをしてあげられるのは、うれしいことです」
子供たちの作品を両手いっぱいに抱えながら、張さんは言う。彼女に限らず、参加する社員たちにとってもこの活動に感じることは多い。
「喜ぶ顔を見ると、来てよかったと思います」
20代の王莎莎さんは、昨年同校を訪れた。もともとボランティア活動に関心が高かった彼女、希望工程への参加はうれしいことだ。一方で、こういった活動を経験し、「私が子供の頃と、今の子供たちとは生活の情況が変わりましたね」と語る。関わってきた子供たちから手紙をもらったり交流を深めることが、中国の社会の変化を感じるいい機会にもなっているという。ボランティア参加が目の前のことだけでなく、様々なことを見つめるきっかけになっているのだ。

昨年、学校を訪れた佐藤光記さんは、また別の印象を抱いており、
「参加したナショナルスタッフの顔つきが、生徒たちと触れ合ううちに変わるんですね。ニコニコして、生き甲斐を感じているように見えて」
と振り返る。自身も感じるところは多く、活動参加後は、「だまされたと思って一度行ってみては」と周囲にすすめているという。同社の池田成昭社長は、
「(彼らが)子供たちの笑顔がうれしい、と話してくれたことがひとつの成果だと思っています」

と語る。同社が支援した学校は今までに3校。今後は、寄付活動だけでなく奨学金を手配したり、学校訪問も継続する予定だが、そこには広州三菱の社員たちにどんどん加わって欲しいと考えている。
「奨学金で学んだ学生たちが、いずれ三菱商事に入社してくれたらうれしいですね」
子供たちを要に、夢は広がり、日本と中国がつながっていく。

「彼らにとっては一生、思い出に残ること。大事にしていきたいです」
訪れるたびに全身で喜びを表現してくれる子供たち。自分たちが訪れることで、彼らに与える影響がどれほど大きいか張さんは理解している。
学校の昼休みの時間が迫り、我々が帰り支度をしていると、子供たちが木の根元に置かれたいくつもの袋を指さしている。
「彼らからのお土産ですよ」
先生が教えてくれた。袋の中には、家でとれたという芋や金柑がどっさり入っていた。

(文・写真 山田静)
(更新日:2008年03月01日)
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