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麗しロマン大陸 たいむトラベラー

癒しのまち「台北」の今と昔に触れる(後編)

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白から緑へと、下から上へ微妙に色合いを変化させる小ぶりな白菜、その先端にちょこんと止まるキリギリス・・・ため息の出る美しさだ。翡翠(ひすい)で作られた世界一有名な白菜「翠玉白菜(すいぎょくはくさい)」を擁する故宮博物院のリニューアル工事が、2007年2月に完了した。今までの種類別展示から時代別展示となり、歴史を追うには分かりやすくなったが、総所蔵点数65万点を超えるという恐るべき規模の博物館であることには変わりない。一回りするだけでも大変だ。

院内のカフェやレストランも充実した故宮博物院

何度見ても驚くのは、古の人々の技術力。透かし彫りがほどこされた象牙の球体が21層重ねられた「彫象牙透花人物套球」、オリーブの種に8人の人々を彫刻した「彫橄欖核舟」、そして時代を重ねるごとに華麗さや深みを増す陶磁器の数々。中華文明の奥深さと物への愛情にはめまいを覚えるほどだ。

ただし陶磁器に関しては、現代の人々も負けてはいない。

茶藝館では、ゆっくり時間を過ごしたい

「台湾の人々は酒でも女でもなく、茶で身上を潰す」。

そんな冗談があるほど、この地の人々にとって台湾茶は大切なもの。小高い山が多く湿度が高い台湾は、烏龍茶を始めとする茶葉の名産地、最近はカフェブームに押されがちだというが、人々の茶への愛着は強い。値打ちものだと一斤(600グラム)で100万元(約350万円)を超えるとも言われる市場だが、茶器も同様。茶藝館などで、通人が急須をなでたり磨いたりしているのを目にすることがある。これは「養壺(ヤンフー)」といわれる動作。紫砂という土を使った茶器は使いこむと独特の風合いを帯びてくるが、外からも磨くことでさらに風合いを持たせるのだ。

おいしい茶葉や美しい茶器に出会いたければ、茶藝館へ行くといい。作法が分からなくとも店員が手本を見せてくれるし、おいしいお茶を飲ませる店ならば必ずみごとな茶器に出会える。ゆったりした時間とともに、口にも目にも幸せなひとときが流れる。

故宮の宝物の数々は、権力者たちの力の証だった。

(左上)新竹の高速鉄道駅(右上)高速鉄道の切符(左下)2月台は2番線、新竹駅にて(右下)スマートなフォルムの高速鉄道

そして今、台湾は政府主導で全域を上げて科学技術産業の振興に力を注いでいる。その姿を、新竹の「科学工業園区(サイエンスパーク)」でかいま見た。

かつて素朴な農村だった新竹は今、台湾科学技術の象徴的存在となっている。80年12月にオープンしてから26年あまり、現在は400社近くがここに拠点を置き、12万人あまりが働いているという。

同様の施設は台湾中部の台中近く、そして南部の高雄近くにもあり、ここ新竹は半導体産業を、中部では精密機械や宇宙航空産業などを、南部では光電子産業にそれぞれ注力している。現在は学校やレクリエーション施設を備え、住人も3000人いるというまちのたたずまいは、にぎやかな台北を見慣れた目には無機質で人工的なものに見える。しかし、台湾の未来を占う上で、この地の動きは外せないのは間違いない。

新竹から台北に戻るため、2007年1月に開通した台湾高速鉄道、通称「台湾高鉄」に乗車した。日本製車両を使った台湾版新幹線は最高時速300キロを誇り、島の南北を100分で結ぶ。ヨーロッパ人がデザインしたというモダンな新竹の駅にも目を見張ったが、発車と停車時の静けさなど、列車の快適さにも感心する。高速道路の整備も進むなか、今後の台湾は、物も人も台北だけにとどまらず、地方への風通しがよくなっていくことが想像できた。

古い街並みにゆったりとした時が流れる癒しの島という顔。

最先端の技術を世界からとり入れる先端技術の島という顔。

異なる顔を見せながらも、どこでも出会えてきたのは温かい人々の笑顔。これからの未来も、われわれはこの笑顔とともに歩み続けていくことができるだろうか。

(文・写真 山田静)

(更新日:2007年05月25日)

台湾では麺類を食べる時に気をつけなくてはいけないマナーがあります。
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