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人類がまだ月面着陸を夢見ていた1960年代、英国出身の4人の若者が世界を席巻した。ポピュラー音楽史の記録を次々と塗り替えただけではなく、文化、思想、生活スタイル、あらゆる分野に強烈な影響を与えた。語り継がれる20世紀最高のファブ・フォーの「この日」にこだわってみました。
ネット配信でビートルズの曲を買える時代になった。好きな曲だけを選んで聴きたい「いいとこ買い」の人にとって、ネット配信は便利で効率的なシステムに違いない。聴きたい曲を必要最低額で買えるからだ。
聴きたい曲を手に入れるには、それ以外の曲も収録されたアルバムCDを買う必要があった。「不要なものまで買わされる」という割高感は、これでなくなるだろう。
しかし、レコード文化に慣れ親しんだ立場からすると、この「いいとこ買い」には抵抗を感じる。間違いだ、とさえ言いたい。思い入れの強いミュージシャンならば、「アルバム」とか「シングル」といったマテリアルの単位で語るべきだと。
前世紀の価値観にたっぷり毒されている、という批判は百も承知で、懲りずにオタクな質問を考えてみた。もし、ビートルズの「アルバム」CDを聴きたい順に買うとすれば、最後に残るのは何だろう。恐らく、その答えは「YELLOW SUBMARINE」に集中する。
このアルバムは、ビートルズをモデルにした同名の長編アニメーション映画のサウンド・トラック盤である。収録した13曲のうち、レコードのB面にあたる7曲はジョージ・マーティンが書いた管弦楽ナンバーだ。ビートルズが演奏するのはA面のたった6曲だけ。しかも純粋な新曲は4曲しかない。
それでも、30数年前に中学生だった僕は、月3000円の小遣いのなかから2500円をはたいて、そのアルバムを買った。ラジオで耳にした「Hey Bulldog」をステレオで聴きたかったのだ。
ビートルズがカバーした、バレット・ストロングのヒット曲「Money」に似たリフで始まるブルージーなナンバー。ジョンの痛烈なボーカルが生々しく、格好いい。99年、プレイボーイ誌のインタビューにジョージはこう答えている。「ジョンがあの曲をプレーしたときは最高だった」
録音は1968年2月11日の日曜日。もともと、この日は、シングル「Lady Madonna」のテレビ放送用のプロモーション・フィルムをスタジオで撮影する予定だった。せっかくの休みを仕事でつぶすくらいなら実りあることをしたい、とポールは前向きに考えたのだろう。
「レコーディングのまねをして時間をムダに過ごすくらいなら、いっそ新曲を撮ってしまおうよ」
前もって、ジョンに新曲を書いてくるように頼んでおいた。
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