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クラシック音楽を楽しむ

映像と共に楽しむと、クラシック音楽は断然身近になります−作曲家・羽毛田丈史さん

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様々なアーティストの作曲・編曲をはじめ、数多くの映像音楽を手がける羽毛田丈史さんは、幼い頃からクラシック音楽が大好きで、現在の創作活動にも大きな影響を受けている。そんな羽毛田さんに、クラシックの魅力や楽しみ方をうかがった。


子どもの頃からミーハー 誰でも知っている名曲が好きだった

羽毛田丈史さん
羽毛田丈史さん
はけた・たけふみ 1960年生まれ。ゴンチチ、葉加瀬太郎、宮本笑里、春野寿美礼、柴田淳、中孝介など、数多くのアーティストの作品のアレンジ・プロデュースを手掛ける一方、映画「ハナミズキ」「ROOKIES -卒業-」、NHK「プロジェクトJAPAN」、TBS系日曜劇場「獣医ドリトル」など数多くの映像音楽も担当し、作・編曲家、ピアニスト、プロデューサーとして、幅広く活動している。

――クラシック音楽を聴き始めたのは?

小学3年の頃から、家にあったクラシック名曲集のレコードを擦り切れるほど聴いていました。シューマンの「トロイメライ」、チャイコフスキーの「白鳥の湖」などが好きでした。特に「白鳥の湖」は子ども心に題名の美しさに惹(ひ)かれ、アルバムに入っていた湖に浮かぶ白鳥の絵を眺めながら、何度も聴きました。モーツァルトもロマンチックな曲が多いせいか、クラシックというよりディズニーの世界に浸るような感覚で楽しんでいた気がします。

――中学、高校時代はいかがでしたか?

中学時代はショパンの「夜想曲第2番」「子犬のワルツ」。この2曲はどうしてもピアノで弾きたくて楽譜を一音ずつ読んだ記憶があります。ベートーヴェンの3大ピアノソナタも好んで聴いていました。高校へ入ってからはドヴォルザークが好きになり、「交響曲第9番『新世界』」「交響曲第8番」や「弦楽四重奏曲『アメリカ』」にハマりました。ドヴォルザークはクラシック音楽なんだけれど、必ず民族的なリズム、メロディーが入っていたところに惹かれました。日本人の感性に近いものを感じます。僕もこういう曲が作りたいと思い、作曲家に習い始めたのもこの頃でした。

それにしても、こうしてみるとかなりミーハーですね、僕(笑)。みんながよく知っている有名な曲ばかり、次々に聴いてきたんだなと今、気づきました。

――他のジャンルの曲は?

ジャズ、ロック、日本のフォーク、それに映画音楽も全盛だったので聴きまくっていました。ジャンルは雑多なのですが、やはりいずれもヒットチャートに上ってくるようなメジャーな曲ばかりです。

――作曲家活動において、クラシック音楽の影響は大きいですか?

自分の楽譜を見ても、和声の進行のしかたなどは、相当クラシック音楽の影響を受けているなと思います。今でも曲作りに煮詰まった時、クラシックを聴くことがあります。原点回帰のような感じでしょうか。でも、そうやって改めて聴くと、何度も聴いてきた曲でも新たな発見があり、その作曲家のすごさ、才能がわかります。それでさらに「足元にも及ばないな」と落胆したりするわけですが(笑)。

――どんなところがすごいと

アンサンブルや和声を楽器の使い方で調整して、曲の表情や奏でる音の色彩を変えたり、曲の展開も楽器の配分で変えていたり。曲の構成も決して一律ではなく、1曲ごとがまるで巨大な建築物のように、複雑な組み合わせによって成り立っていたりするんです。その構築の仕方に気づいた瞬間、愕然(がくぜん)とします。それだけクラシック音楽は深遠なものだけに、知れば知るほど、その奥深さを安易に語れなくなってしまいます。

クラシックを楽しみたいなら、聴いたことがある曲から

――クラシック音楽と聞くとどうも敷居が高い気がしてしまう人もまだまだ多いのですが

羽毛田丈史さん

毎年「live image」というコンサートを行っているのですが、ここではクラシック音楽初心者の方にも気楽に、気持ちよく楽しんでもらえる場になっています。というのも、このコンサートがテレビや映画、CMなどで親しみのある音楽を映像と共に楽しんでもらうスタイルだからです。音楽だけでなく映像が一緒に流れると、人間ってイメージが広がりやすくなるような気がします。その想像力によって、あたかも何かを体験したような感覚になるんでしょうね。

実際、お客様からも「音楽の描く世界に入りやすい」「いろんなことが想像できて楽しかった」と感想をいただくことが多いんです。それだけ映像の力って大きいんだとも思います。

――コンサートでは映像が音楽をフォローし、映画では音楽が縁の下の力持ちになっているようですね。おもしろい関係性です。いずれにしても、映像と音楽を同時に楽しむことで、私たちはより深い感動を味わうこともできますね

そうです。だから、クラシックを楽しみたいなら、作曲家から入るのではなく、「あの映画で使われている曲がよかったから聴いてみよう」とか、「CMで使われている、あの曲が入っているアルバムを探してみよう」といった具合に、自分が好きな映像から入ってみるといいと思いますよ。それで興味が湧(わ)いてきたら、今度はその曲が演奏されていそうなコンサートを探して行ってみる。不思議なもので、同じ曲でも奏者が異なるとまったく違ったものに聴こえます。そうするとまた「この曲、こんな感じだったんだ」と新たな発見もあって、楽しさもより深まっていくはずです。

今年も開催決定「live image 11-onze-」

テレビや映画などの映像音楽を集めたアルバム「image」とリンクした形で、昨年までの10年間に162公演、46万人を動員したツアー・コンサート「live image」。昨年で一区切りかと思いきや、今年11年目の全国ツアー実施が決定した。羽毛田さんは初回から音楽監督を務めている。「音楽だけでなく映像も楽しめ、なおかつ、ふだんは絶対に競演などないアーティストたちが一堂に会しているのが何よりの魅力です。意外なアーティスト同士のコラボレーションも見どころの一つです」(羽毛田さん)

[出演アーティスト]
加古隆クァルテット、小松亮太(バンドネオン)、ゴンチチ(ギター)、NAOTO(ヴァイオリン)、葉加瀬太郎(ヴァイオリン)、羽毛田丈史(ピアノ)、松谷卓(ピアノ)、宮本笑里(ヴァイオリン)ほか

[公演日程]
4月23日(土) 川口リリアメインホール
4月28日(木) 福岡市民会館
4月29日(金・祝) 大阪国際会議場メインホール
5月1日(日) 神戸国際会館こくさいホール
5月4日(水・祝) 愛知県芸術劇場・大ホール
5月5日(木・祝) 大阪・堺市民会館
8月13日(土) 東京国際フォーラム・ホールA<5月14日の振り替え>
8月14日(日) 東京国際フォーラム・ホールA<5月15日の振り替え>

◆live image 公式ホームページ http://www.liveimage.jp/

※詳細は上記をご確認ください


(取材・文/井上理江)

(更新日:2011年04月21日)

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