「インデペンデンス・デイ」「デイ・アフター・トゥモロー」で近未来に起こりうる世界を描いたローランド・エメリッヒ監督が、過去、それも紀元前1万年を最新のCG技術などでよみがえらせた「紀元前1万年」。4月26日(土)の公開に先立ち、来日したエメリッヒ監督が会見し、脚本を描くきっかけや制作中のエピソードを語った。

エメリッヒ監督:「(日本語で)こんにちは! 日本に来られてうれしいです!」。これ、一晩かけて練習しました(笑い)。「紀元前1万年」の記者会見にようこそおいでくださいました。普段はカメラの後ろに立っていますが、今日はカメラの前に立つことになりました。信じられないかもしれませんが、私はとてもシャイなのです。特に、自分が一生懸命作った映画を皆さんに見ていただくときは、特に緊張します。
司会者:この映画には、監督のどんな思いがこめられているのですか?
監督:この映画は、私にとっては歴史の授業でもドキュメンタリーでもありません。人間が何万年もかけていかに発達、進化していったか、というのを見せたかったのです。実は、この映画を作りたいと思ってから15年くらいたっています。この映画に必要だと思っていた視覚効果のレベルが、私のイメージしていたものに到達するまで時間がかかってしまいました。 私の映画作りというのは、脚本を書いたらまず視覚効果のチームに渡します。「デイ・アフター・トゥモロー」の脚本を渡したときも、すぐに次の日に特殊効果の担当者が私の部屋に来て、「水がどれほど大変なのかわかっているのか?」と聞かれました。今回は「どれだけ『毛』というものが難しいかわかっているのか?」と聞かれました(笑い)。 また、マンモスを担当している視覚効果の会社からは、1フレームを作るのに10時間かかる、と言われました。1秒の映像を作るには240時間、1分の映像だったら2400時間です。このマンモスの狩りのシーンには4分かかる予定でしたので、そこから先は数字が大きすぎてわからなくなりました。 今回の作品で毛皮の表現が難しいということがわかりました。でも私は「マゾ」なので、大変なことはやり遂げずにはいられなかったのです。
司会者:製作するにあたっての経緯と、参考にした文献があれば教えてください。
監督:15年前、アメリカのテレビでドキュメンタリーの番組を見ました。その番組を見たときに、紀元前にいろいろな生物と人間が暮らしていたということが描かれており、まず興味を持ちました。そして、いつかこのような映画を撮りたいと思っていました。 紀元前の物語のストーリーを話し始めたのは、5、6年前にハラルド・クローサーと夕食をとっていた時です。彼と一緒に今回の脚本を執筆できたので、とても誇りに思っています。
司会者:この作品には巨大な生き物がたくさん出てきますが、昔撮った「GODZILLA ゴジラ」のノウハウは生かされているのでしょうか。また、昔一緒に仕事をしたディーン・デブリンさんとはまだ友人関係にありますか?
監督:ディーンはまだ親友の一人ですよ(笑い)。でも、一緒に仕事をするのはもういいかなとお互い思っています。ただ、「インデペンデンス・デイ」の続編を作るのなら、彼ともう一度一緒にやりたいですね。続編については毎年考えているのですが、まだ具体的にはなっていません。たしかに今回は「GODZILLA ゴジラ」での経験が生かされています。
司会者:巨大生物は、サーベルタイガーとマンモスと巨大な鳥のようなものが映像にありましたが、それ以外にも出てきますか?
監督:いや、もうそれだけで十分だと思いますね。当初はいろいろありましたが、メーンのものでは今おっしゃった三つだけです。
司会者:現代でも未来でもなく、紀元前でなければ監督が伝えられなかったこととは何ですか?
監督:まず、私は新しい世界を創(つく)り上げることが大好きです。現代の映画ではあまり探求していない時代がある、と感じました。過去20〜25年の間では、この時代は映画化されていなかったと思います。やはり観客の皆さんには、今まで見たことのない世界を見せたいと思っていました。ぜひたくさんの人たちに見ていただきたい、見るべき世界だと思いました。自分自身が映画を見に行くものとしてとらえています。実は私が見たかった世界なんです(笑い)。

(更新日:2008年04月16日)
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