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映画散歩

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記者会見レポート

「美しすぎる母」 記者会見

大富豪ベークランド家の後継ぎと結婚した貧困家庭育ちのバーバラ。一人息子のアントニーを授かり、あこがれの上流階級での幸せを実感する日々が続くと思っていた。だが、夫の離反をきっかけに世間から取り残され、人生は残酷に堕(お)ちていく。そして、避けようのない衝撃的なエンディングが彼女を待っていた……。

2007年第60回カンヌ国際映画祭監督週間で上映され、スキャンダラスな内容で賛否両論を巻き起こした衝撃作の映画、「美しすぎる母」の来日記者会見が、6月7日(土)の劇場公開に先駆けて開催され、監督のトム・ケイリンとプロデューサーのケイティ・ルーメルが登場した。

写真
トム・ケイリン監督(右)とプロデューサーのケイティ・ルメール氏

司会者:まずはごあいさつをお願いします。

監督:ありがとうございます。この「美しすぎる母」について、皆さんと色々と分かち合える機会に恵まれとてもうれしく思っています。また東京に来られたこともうれしいです。

プロデューサー:ありがとうございます。こうやって日本に来ることができ、本当にうれしいです。

司会者:様々な事件がある中で、どうしてこの事件を選ばれたのでしょうか?

監督:この犯罪は、人間関係の中で最も根本的である家族の中で起きた事件だからです。私たちの人生の中でとても重要なものである愛、そして、その愛の限界や境界線などを扱った犯罪だからです。この話はとても複雑ですが、彼らも人間であり、非常に極端な所までいってしまいますが、その扱い方、描き方には思いやりを持って描いたつもりです。そうすることによって、彼らは確かに極端な行動をしてしまった人間かもしれないけれど、彼らを通して、誰しもが持っている人間の本質を垣間見たり、感じたりすることができるのではないかと思います。

司会者:実際に起こった衝撃的な事件を映像化する上で、特にアプローチした点や意識した点があれば教えて下さい。

監督:映画の中では1946年〜72年という非常に長い時期を描いています。色々な違う時代をうまく見せつつ、登場人物の長い旅路を描くというのが、今回の作品ならではのチャレンジでした。非常に才能豊かなキャストにも恵まれ、今仕事をしている俳優の中でもっとも才能のある俳優のひとりであるジュリアン・ムーアや、もしかしたら初めて耳にするかもしれませんが、新しい才能エディ・レッドメイン、そしてスティーブン・ディレインなど、ユニークで才能ある俳優とコラボレーションすることができました。

司会者:ジュリアン・ムーアとエディ・レッドメインをキャスティングした経緯と、現場での雰囲気を教えてください。

プロデューサー:ジュリアン・ムーアに関しては、監督と話し合って、クリエーティブな観点から彼女しかいないという風に決めていました。撮影に入る3〜4年くらい前には、もうジュリアン・ムーアの名前があがっていました。エディは、100人の候補の中から通常のオーディションプロセスを経て決めた俳優ですが、関係者の方々にも難なく納得して頂けました。

監督:この2人の俳優のコラボレーションは、オーディションの段階から始まりました。エディの選考をしている時に、最終選考でジュリアンが一緒に読み合わせをしてくださったのですが、最後に残った5人と共に参加して頂きました。1人目が今回のエディだったのですが、初めからお互いに「見つけた」というような感覚があったようです。

写真
©Lace Curtain, Monfort Producciones and Celluloid Dreams Production

司会者:シャネルのオートクチュールの衣装が特徴的ですが、バーバラのドレスはそれぞれのシーンの感情的な部分、内面的な部分を表しているのでしょうか?

監督:登場人物の内側にあるものを表現する手立てとしても、服というものは使うべきだと思っています。バーバラの場合もどういう気持ちでその服を着ているのか、その過程を見せるために、もちろん衣装には気を使いました。

シャネルのスーツはその時の彼女の、強烈な思いを表現しています。私は元々ビジュアルアーティストとして絵画などを描いていたので、今はいかにクオリティーの面でそれを役立たせるかというコンセプトに非常に興味を持っています。この映画の場合でも、私は撮影シーンは全部色で考えていくんです。例えば、空港のシーンでは爆発するような赤いジバンシーのワンピースで、いかに彼女の思いがみなぎっていたのかを表現しているわけです。

司会者:バルセロナのロケで、何か思い出に残っていることはありますか?

プロデューサー:マジョルカ島に舞台を移した時の話ですが、お城が築1000年のものだったんです。本当に素晴らしい体験でしたが、監督が「幽霊がいるんだよ」って言うとおり、本当に幽霊がたくさんいそうな雰囲気でした。バルセロナですべての撮影をするというのは大きなチャレンジでもありましたが、そこしかないっていう様なロケーションもあり、何とか撮影することができました。


(更新日:2008年05月21日)

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