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記者会見レポート

「スラムドッグ$ミリオネア」ダニー・ボイル監督来日記者会見

第81回アカデミー賞で作品賞・監督賞など8部門で栄冠に輝いた「スラムドッグ$ミリオネア」が4月18日に全国公開される。アカデミー賞授賞式直前に来日した折、ダニー・ボイル監督は映画撮影中の苦労や秘話を語った。

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ダニー・ボイル監督
――まずはごあいさつをお願いします

ボイル:日本は3度目の来日ですが、とても楽しみにしていました。今回の作品では、インドのムンバイという偉大な都市が舞台になっていますが、東京も偉大な都市ですので、また来られて非常にうれしいです。

――これまでアメリカやスコットランドを舞台にして映画を作られていましたが、今回インドを舞台にした映画を作ることになったきっかけを教えてください

ボイル:この作品との最初の出会いは、インドの著者ビカス・スワラップが書いた原作「僕と1ルピーの神様」を映画「フル・モンティ」の脚本家だったサイモン・ビューフォイが脚色したものを入手したことでした。最初はサイモン・ビューフォイの脚本が気になって手に取ったんです。主人公のジャマールが暮らすムンバイの街で、クイズ番組に出演しているシーンから読み始め、すぐにくぎ付けになりました。とても貧しい所から登場した少年が夢のある番組に登場するわけですが、その対比が非常におもしろい。スラムで育った貧しい少年が華やかなテレビの世界に入っていく。ムンバイというのはこういう対極にあるものが隣同士にある街なんです。映画作家としては題材に不足のない最高の街でした。

――映画の題材となっている人気番組「クイズ・ミリオネア」には出演してみたいと思いますか? もし出演したとしたら誰にテレフォンをかけますか?

ボイル:もし出演したとしてもうまく答えられないと思います(笑い)。セレブのゴシップやテレビ番組の問題が出題されたらとても答えられません。テレフォンは、この作品の原作「僕と1ルピーの神様」の作者ビカス・スワラップに電話したいと思います。

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会見終了後のイベントには日本版「クイズ・ミリオネア」司会者のみのもんたが登場し、「アカデミー賞に勝つ」ということで一緒にカツカレーを食べた
――この映画の主人公ジャマールは信じ続けることによって勝ち進みました。監督も夢を信じ続けて映画監督になったのですか?

ボイル:やはり人間はどんな時でも自分自身を信じなければいけないと思います。主人公のジャマールも自分を信じて努力をする。周りからどんなに無理だと言われても自分を信じることによって、最終的に勝ち進んでいくことになります。映画監督という職業もやはり自分を信じなければいけない職業だと思います。自分を信じることと、たゆまぬ努力を続けることが映画監督という職業に必要だと思いますし、どんな才能よりも必要なことだと思います。

――運命についてどう考えていますか?

ボイル:この映画のテーマにもなっている「運命」について、実はこの映画でインドを訪れるまであまり信じていませんでした。運命というとどうしてもロマンチックでチャーミングなものを思い浮かべてしまうのですが、本当はより深いものだと、インドに来てはじめて実感しました。 今回の主役の俳優探しは困難を極めました。インドの18歳くらいの俳優は常にジムで筋肉を鍛えていて、体を作っている人ばかりなんです。でも、今回の主役にはひょろっとした負け犬タイプの外見を求めていました。そこでムンバイはもちろんコルカタ(カルカッタ)、南アフリカ、トロントまで手を広げて俳優を探しましたが、なかなか出会えませんでした。そんな時、娘が「それならデーブ・パテルがいいんじゃない?」とアドバイスをしてくれ、彼に会いました。会った瞬間に「ジャマールを演じるのは彼しかいない」と直感しました。彼はロンドン出身の俳優です。つまり世界中探しても見つからなかった人が自分のごく近くにいた。これは運命だと思います。

――アカデミー賞への思いを教えてください

ボイル:「スラムドッグ$ミリオネア」のような映画が世界中でヒットするきっかけになるのは賞レースだと思っています。なぜなら世界中のマスコミが色々な作品に注目して、たくさんの作品がメディアに取り上げられるからです。賞レースでのメディア露出がきっかけで、本作のように大スターが出演していなかったり、あまり皆が知らない場所が舞台になったりしている映画に目を向けることもあると思います。それに、この作品は本編の3分の1がヒンディー語で、英語圏の人でも字幕で見なければいけません。

実際に賞を手にできない場合もありますので、色々と複雑な思いをすることもありますが、このような賞があることによって普段とは少し違う個性的な作品が作られたり、俳優さんもリスキーな役にチャレンジしたりと、きっかけを作っているという意味で非常にすばらしいし、ノミネートされたことは非常に光栄に思っております。


(更新日:2009年04月01日)

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