ケイト・ブランシェットが中世の英国女王像を生き生きと創出した「エリザベス」(98年)の続編である。第1作に続いてシェカール・カプールが監督。特徴的だったメリハリの利いた演出がいっそう強調され、ブランシェットも奮闘熱演。とにかく飽かせない。
エリザベス1世(ブランシェット)は、英国国教(プロテスタント)の主として、激しく抵抗するカトリックをも従属させようとする。スコットランド女王メアリー・スチュアート(サマンサ・モートン)は自分こそが正統のイングランド王だと主張する。一方、スペイン国王フェリペ2世は無敵艦隊の軍事力を誇示しつつ、あからさまな圧力をかけてくる。
エリザベスは側近ウォルシンガム(ジェフリー・ラッシュ)の助けを得、内憂外患を真っ向から受け止め、次々に捌(さば)いていく。新世界アメリカから帰ってきたウォルター・ローリー(クライブ・オーウェン)に惹(ひ)かれるが、彼は女王の侍女ベス(アビー・コーニッシュ)とひそかに結ばれる。
メアリーの処刑、ローリー投獄。権力の座を守るために、エリザベスは孤独の人生を選ぶしかない。しかし、イングランド女王として、スペイン無敵艦隊との大海戦に勝利し、大英帝国の礎を築く。
カプールの監督ぶりには、どうやらインド娯楽映画の筆法が採り入れられているようだ。恋、陰謀、闘争が絡み合い、派手な見せ場を繰り広げる。英国史劇といった格調よりも、これは西洋講談調の語り口が面白い映画なのだ。
(品田雄吉・映画評論家)
掲載:2007年02月15日朝日新聞夕刊紙面
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