
今年の米アカデミー賞で作品賞など4部門を受賞した、コーエン兄弟監督作品の「ノーカントリー」。3月15日(土)の公開を前に、冷酷な殺し屋アントン・シガー役でアカデミー賞助演男優賞を獲得したハビエル・バルデムが来日し、記者会見を開いた。映画に対する熱い思いを語る一方、ユーモアな受け答えで会場を笑いの渦に巻き込む場面もあった。
アカデミー賞を受賞した瞬間は、「スピーチの持ち時間が40秒しかなかったので、その間に(お世話になった人々の)名前を忘れることなく言わなければ、ということで頭がいっぱいだった。でも、祖父母の時代から俳優の血が流れていることもあり、皆さんに演技が認められたことは本当にうれしかった」と述べた。ただ、「受賞して2週間ほどたつが、自分は何も変わらない。アカデミー賞受賞という事実から一歩置いたところから自分を見つめるようにしている」と謙虚な一面も見せた。

「ノーカントリー」は今年のアカデミー賞で、作品賞、監督賞、脚色賞とバルデムの助演男優賞の計4部門を受賞した。作品について、「ひとが多くを手がけすぎていないところがかえって良いところ。コーエン兄弟だけが作り上げることができると思う」との印象を語った。また、演じたシガーについては、「私はもともと暴力シーンが好きではないし、暴力シーンを演じるのも好きではない」と前置きしたうえで、「でもシガーは、この映画の背景にある死と運命と暴力を体現する神話的な存在だと感じたので、演じることにした」と語った。
シガーといえば、青ざめた顔色に「おかっぱ頭」の風ぼうが印象的だ。「辛かったのは、ショッピングに行くと『こいつは何者だ』といった雰囲気で周りの人に見られたこと。毎朝起きて鏡を見るのも大変だったけれど」といったエピソードも披露した。
(文:どらく編集部 勝井善明)
(2008年03月12日)
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